東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

イベント Event

September 7, 2022

2022年度第5回BAIRAL研究会 「仕事の可視化から身分の匿名化へ:デジタル時代における日本の記者職の変容について」The 5th BAIRAL Research Meeting for 2022 “From the Visibility of Work to the Invisibility of Identity: Regarding the Transformation of Journalistic Activity in Japan in the Digital Age”

◇BAIRALとは
BAIRALは、東京大学Beyond AI推進機構B’AI Global Forumの若手RA(リサーチアシスタント)が主体となり、月に一回のペースで開催している研究会です。B’AI Global Forumでは、AI社会におけるジェンダー平等とマイノリティの権利保障という社会目標の実現に向けて研究を進めております。その一環として、BAIRALではデジタル情報技術と社会の関係について理解を深めるために、毎月様々なゲストスピーカーの方にお話しいただいております。

◇開催情報
日時:2022年9月7日(水)17:30-19:00
場所:Zoomミーティング(事前申し込み不要)
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/83865665759?pwd=M2M0SlpjWnk4NUZod2ZrWmRhOGw2UT09
言語:日本語

◇ゲストスピーカー
セザール・カステルビ(パリ・シテ大学 東洋言語文化学部日本研究学科 准教授)

◇趣旨
ここ数年、日本の報道関係者の間で、「記者」を名乗るツイッターの匿名アカウントが増加していることが注目されている。

これらのアカウントは、匿名性を強調しながら、「記者」と名乗ることで、公共性を重視する職業活動に属していると主張しているのである。メディアに対する不信感/無関心が高まる中、これらのアカウントは、過去30年間観察されてきたジャーナリズムの仕事を可視化する流れに逆行しているようにも見える。

個人がこの逆説的な二重のアイデンティティの明示を選択することについて、どのように受け止めればいいのだろうか。伝統的なメディアの衰退とデジタルメディアの発展の中で、ジャーナリズム活動の変容と公共圏におけるその存在、あるいは伝統的メディアのニュースルームにおける労働条件について、この現象は何を物語っているのだろうか。このような疑問から導き出されたいくつかの考察を紹介する。

本発表では、ユーザー・プロファイルの分析と「匿名記者」への半構造インタビューという2種類のデータに基づき、最近開始した調査の結果の一部を報告する。

◇主催
東京大学Beyond AI研究推進機構B’AI Global Forum

◇お問い合わせ
金 佳榮(B’AI Global Forum 特任研究員)
kayoungk[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp ([at]を@に変えてください)