東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

イベント Event

July 16, 2014

<メディア研究のつどい> Florent CHAMPY先生講演会 The Sociology of Prudential Activities 「プルデンシャル.アクティビティー」の職業社会学: 医師、弁護士、科学者、そしてジャーナリスト?

【講演者】Florent CHAMPY(フロラン シャンピ、フランス国立科学研究セン
ター上級研究員)
【日時】    2014年7月16日(水曜日)10時から12時まで
【場所】    情報学環本館6階実験室

【講演概要】
本講義は職業社会学での新しい概念である「プルデンシャル的職業」
(Prudencial Profession)に注目する。「プルデンス」という概念はアリストテ
レスの「フロネシス」(practical wisdom)概念に基づくものであり、「フロネシ
ス」は多くの場合「実践的慎重さ」と翻訳されている。医師、弁護士、あるいは
科学者がその典型的事例であり、ジャーナリストも含まれよう。
「プルデンシャル的職業」は、活動の特殊性や複合性を持つがゆえに、簡略化が
許されず、巨大な不確定さを有する職業を指す。それは、この不確定さのため
に、科学的な知識や実施手順、ルーティーンなどを一概に適用することができな
い職業である。
「フロネシス」概念は、そのような状況で求められる特定の取組みのあり方を指
すが、不確定で解決困難な状況下においては、問題の原因に着目することや、集
団的あるいは個人的に熟考すること、または次の行動を想定することを要請す
る。したがって、「プルデンシャル・プロフェッショナル」の仕事では、「適切
な判断力」(proper judgment)を持つことが求められる。その点、機械的な活動
とは根本的な違いがある。
この講義では、フランス職業社会学分野の権威で「プルデンス」概念の提唱者で
あるフランス国立科学研究センター上級研究員のシャンピ教授をお招きし、「プ
ルデンシャル的職業」を社会学的な研究対象として扱う意義を考察する。そのう
えで、この概念を、ジャーナリストのケースにどのように生かすことができる
か、その実践的職業倫理にいかに関連するかについて、議論していきたい。
講義は英語で行う。

【ご略歴】
パリ高等師範学校(Ecole Normale Supérieure)に入学(86年)
社会科学のアグレガシオンを取得(89年)
社会科学高等研究院(EHESS)で博士号を取得(95年)

1996年            フランス国立科学研究センター(CNRS)に入所
1996年〜10年     研究アソシエイト
研究指導資格を取得(2010年)
2010年〜14年     研究ディレクター(上級研究員)
2014年〜        現職

【研究分野】
    建築の社会学
    職業の社会学
    プルデンシャル・アクティビティーの社会学

【連絡先】
事前申し込み不要、お問い合わせ先「メディア研究のつどい」事務局
iii.media.studies@gmail.com