東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

イベント Event

November 1, 2013

日本学術会議 メディア・文化研究部会 公開シンポジウム 「デジタル・メディア時代の政治と選挙―日本における民主主義の現在」のご案内

日本学術会議 メディア・文化研究部会 公開シンポジウム
「デジタル・メディア時代の政治と選挙―日本における民主主義の現在」のご案内

主催:日本学術会議社会学委員会メディア・文化研究分科会
協力: 多文化メディア市民研究会、早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所
会場:日本学術会議 5階 5-C(東京都港区六本木7-22-34)
日時:2013年11月1日(金) 2:00-5:00pm

問題提起者:  三宅洋平  ミュージシャン 日本アーティスト有意識者会議(NAU)代表
討論者: ウィンクラー クリス ドイツ日本研究所専任研究員
逢坂巌 立教大学 兼任講師
遠藤薫  学習院大学法学部教授
伊藤守 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

コーディネーター・司会: 林香里   東京大学大学院情報学環教授

入場無料・事前申し込み不要
【お問い合わせ】gakujutsu2013@gmail.com

開催趣旨:
2013年7月に行われた参議院議員選挙では、同年4月に改正された公職選挙法によって、初めてインターネットを使った選挙運動が認められた。しかし、結果は、戦後日本を長きに渡って支配してきた自民党の圧勝であり、保守回帰の傾向が一層強まった。投票率も、戦後3番目に低い52.61%に留まった。
いま私たちは、この結果を振り返って、選挙制度へのデジタル・プラットフォームの導入は、政治参加の拡大に直接的に貢献したり、政治的有効感覚を強化したりするものではないと結論づけるべきだろうか。
あるいは、結果とは別に、今回の選挙では、デジタル・メディアによって、政治コミュニケーションの質、およびダイナミズムに根本的な変化の萌芽が見出せたと言えるだろうか。そして、その変化は、今後の日本社会にどのような影響をもたらすだろうか。
シンポジウムでは、7月の参議院議員選挙で実際に何が起きていたのかについて、緑の党の推薦を受けて立候補し、インターネットを駆使して17万票以上を集めた三宅洋平氏に問題提起をお願いする。それを受けて、政治・世論研究、日本の戦後保守政治研究、メディア・社会運動研究等の立場から各研究者にコメントをもらう。その後、フロアからの質問も交えながら、デジタル・メディアが台頭する時代の日本の選挙、代議制民主主義、そして市民社会の行方について活発なディスカッションを行いたい。

シンポジウム次第

開会挨拶(14:00~14:05)
毛利嘉孝 東京芸術大学大学院音楽研究科准教授

シンポの趣旨説明(14:05~14:15)
林香里 東京大学大学院情報学環教授

問題提起(14:15~14:45)
三宅洋平 ミュージシャン、日本アーティスト有意識者会議(NAU)代表

フロアから三宅さんへの質問(14:45~15:00)

討論(15:00~15:55)
ウィンクラー クリス ドイツ日本研究所専任研究員
逢坂巌 立教大学 兼任講師
遠藤薫 学習院大学法学部教授

休憩 (15:55~16:05)

全体討論(16:05~16:50)
伊藤守 早稲田大学教育・総合科学学術院教授 (モデレーター)

閉会挨拶(16:50~17:00)
田嶋淳子 法政大学社会学部教授
登壇者プロフィール

三宅洋平 (ミュージシャン、日本アーティスト有意識者会議(NAU))代表
2013年7月第23回参議院議員通常選挙に、緑の党から推薦を受けて比例代表で立候補。選挙運動として「選挙フェス」と称する集会を展開し、176,970票の個人票を得たが、緑の党が当選枠を獲得できず落選した。

伊藤守(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
専門:社会学、メデイア論。主な著書に『記憶・暴力・システム――メディア文化の政治学』(法政大学出版局、2005)、『テレビは原発事故をどう伝えたのか』(平凡社新書、2012)、『情動の権力 メディアと共振する身体』(せりか書房、2013)など。

ウィンクラー クリス (ドイツ日本研究所専任研究員)
専門:政治学、現代日本政治論。主な著作にThe Quest for Japan’s New Constitution (Routledge, 2011年)、Analyse Politischer Systeme: Japan (独文;Axel Kleinとの共著, Wochenschau Verlag, 2012年), Social Science Japan Journal, Japan Forum誌で出版された論文など。

遠藤薫(学習院大学法学部教授)
専門:社会学、社会情報学。主な近著に『メディアは大震災・原発事故をどう語ったか−−報道・ネット・ドキュメンタリーを検証する』(東京電機大学出版局、2012)、『廃墟で歌う天使−−ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』を読み直す』(現代書館、2013)など。

逢坂巌(立教大学 兼任講師)
専門は政治コミュニ ケーション。共著に『テレビ政治』(朝日新聞出版、 2006 年)、『文化人とはなにか』(東京書籍、2010 年) 、『政治学』(東京大学出版会、2012年)など。

林香里(東京大学大学院情報学環教授)
専門:メディア研究、ジャーナリズム研究。主な著書に『<オンナ・コドモ>のジャーナリズム ケアの倫理とともに』(岩波書店・2011)、『テレビ報道職のワーク・ライフ・アンバランス―13局男女30人への聞き取り調査から』(編著、大月書店・2013近刊)など。