東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

イベント Event

March 28, 2017

情報社会基盤卓越講義シリーズ 第13回 のお知らせ

国境を越えて進むデータの寡占化、ソフトウェア化による通信基盤の輸出、特定の国家による価値の保証を持たない仮想通貨など、情報社会基盤技術における地球規模の覇権争いが進む中、東京大学大学院・情報学環では、文理越境の観点から、情報社会基盤技術の最新動向の把握が必要であると考え、2017年2月から「情報社会基盤卓越講義シリーズ」を開講します。
受講対象者は一般とします。

In the light of the progress of planetary-scale technological competition for dominance in information society infrastructure, such as data acquisition and analysis beyond national borders, export of communication infrastructure through network softwarization, virtual currency without guarantee of value by a specific state, etc., we believe that it is essential to carefully study the latest trends in information society infrastructure technologies from interdisciplinary view points and have started “Distinguished Lecture Series on Information Society Infrastructures” in February 2017.
This lecture series is open to public not only students and faculty members at UTokyo.

第13回 情報社会基盤卓越講義 を以下のように開催します。

【講義タイトル】オープンイノベーションによるデータサイエンス
~データ分析コンテストプラットフォームが生み出す技術革新・実践教育・キャリア形成について~

【分野】データ分析, ビッグデータ, 情報社会基盤教育

【講師】齊藤 秀 (さいとう しげる)
株式会社オプト 最高解析責任者CAO(Chief Analytics Officer)
データサイエンスラボ代表

【日時】2017年3月28日 13:00-15:00

【場所】法文1号館212教室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_01_j.html

【参加】本講義は一般公開ですが、下記より登録をお願いします。
https://goo.gl/oW7JkT

【講義概要】
IoTが生成するビッグデータを人工知能により価値化することで社会基盤を刷新する未来観が、世界的な共通認識となりつつある。我が国においても”第4次産業革命”と銘打って、国家戦略の重要テーマとして位置付けられている。一方で、そのメインプレーヤーであるデータ活用人材、いわゆるデータサイエンティストは世界的不足状況にあり、データ活用需要に対し供給が追いつかない。データプロジェクトを盤石に推進可能な組織は極めて限定的であり、人材育成が最重要課題となっている。
現状における1つの解はオープンイノベーションの活用にあると考える。演者は、日本最大のデータサイエンティストコミュニティ:DeepAnalytics(https://deepanalytics.jp/)を開発・運用しており、企業・公的機関が保有する課題・実データを用いたデータ分析コンテストを多数開催している。本講義では、国内外のコンテスト実績で得られたデータ・知見から、オープンアプローチ特有の利点や数理モデル構築法について実例を交えて紹介する。また、コンテストプラットフォームを通じた、実践的データサイエンス教育の状況や今後の取り組みについて、データサイエンティストのキャリアパスへの影響等を論ずる。

【講師略歴】
2001年 北海道大学大学院工学研究科システム情報工学専攻修士課程修了。
2011年 九州大学大学院システム生命科学府にて学位取得:博士(システム生命科学)。
バイオ・ヘルスケア領域を中心に幅広い業種のデータ分析・共同研究・コンサルテーション業務に従事。
2013年2月 日本初のデータ分析コンテストサービスを設立。
2013年12月 株式会社オプトにてデータサイエンス研究開発組織、データサイエンスラボ設立。
社内外のデータサイエンス・AIプロジェクトにおいて、企画・データ取得・分析・モデリング・運用まで幅広く支援。
DeepAnalyitics(https://deepanalytics.jp)にて、多数の企業・行政のデータ活用コンテストを実施。
データサイエンス人材育成にも注力し、国主催、第4次産業革命 人材育成推進会議 第1回講演者。
社外では研究プロジェクトに参画、国立がん研究センター研究所 客員研究員として、ビッグデータ創薬の研究に従事。
統計数理研究所 客員准教授として、IR(Institutional Research)の研究に従事。

【担当教員】 中尾彰宏 nakao@nakao-lab.org