東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

イベント Event

March 6, 2017

情報社会基盤卓越講義シリーズ 第6回 のお知らせ

国境を越えて進むデータの寡占化、ソフトウェア化による通信基盤の輸出、特定の国家による価値の保証を持たない仮想通貨など、情報社会基盤技術における地球規模の覇権争いが進む中、東京大学大学院・情報学環では、文理越境の観点から、情報社会基盤技術の最新動向の把握が必要であると考え、2017年2月から「情報社会基盤卓越講義シリーズ」を開講します。
受講対象者は一般とします。

In the light of the progress of planetary-scale technological competition for dominance in information society infrastructure, such as data acquisition and analysis beyond national borders, export of communication infrastructure through network softwarization, virtual currency without guarantee of value by a specific state, etc., we believe that it is essential to carefully study the latest trends in information society infrastructure technologies from interdisciplinary view points and have started “Distinguished Lecture Series on Information Society Infrastructures” in February 2017.
This lecture series is open to public not only students and faculty members at UTokyo.

第6回 情報社会基盤卓越講義 を以下のように開催します。

【講義タイトル】「ドローンの利活用と今後の課題」 ~ドローンは「飛躍」できるか?~

【概要】
ドローンが本格的に「離陸」できるためには、技術、法律、インフラ、という複数の環境整備が必要と言われる。本講義では、大学、企業から3人の講師をお迎えし、近年、様々な利活用が進むドローン関連技術について情報社会基盤の複数の観点から、俯瞰したドローン関連を解説し、「離陸」したドローンが「飛躍」できるか、今後の発展と課題について議論する。

【日時】2017年3月6日 15:00-18:00

【場所】ダイワユビキタス学術研究館 3F 石橋記念ホール
https://goo.gl/maps/MEcNTKqmRf32

【参加者】講義は一般公開で無料です。
以下から登録をお願いします。
https://goo.gl/ZpWpXE

【モデレーター】中尾彰宏 教授(東京大学大学院情報学環)

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【講師1】三輪昌史 准教授(徳島大学大学院理工学研究部)

【講義タイトル】マルチコプタドローンの仕組みと 運用方法・法規について

【講義概要】
近年、マルチコプタ(マルチロータヘリコプタ)は“ドローン”と呼ばれ、様々な分野での運用が注目されている。マルチコプタはラジコンヘリコプタの一種であり、航空法や電波法等の法令・条例等に従って運用する必要がある。本講演ではマルチコプタの歴史・仕組みから運用に関する法令、および安全な運用方法について紹介する。

【講師略歴】
1997年からラジコンヘリコプタ・飛行機の操縦を始め、1998年に和歌山大学システム工学部校舎の空撮を行ったことを切っ掛けに、1999年より操縦支援装置や自動操縦装置など無人航空機に関する研究を開始。これまでに固定翼機の水平飛行維持装置、シングルロータヘリコプタのフライトコントローラ、ダクトファンヘリコプタ、倒立型飛行体、水空型マルチコプタ等を開発。現在も無人航空機の空中機動や運用に関する研究を行っている。

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【講師2】佐々木賢一氏(トライポッドワークス)

【講義タイトル】空の産業革命を起こすドローンテクノロジー
~空飛ぶIoTデバイスが切り拓く新たなITフロンティア~

【講義概要】
「空の産業革命」を起こすとも言われるドローンテクノロジー。ITデバイスとしてのドローンは、ネットワークを介してクラウドと融合することで、今後大きな可能性を拡げてくれることでしょう。今回は最新のドローンの実際をデモンストレーションを交えながら説明します。

【講師略歴】
1967年仙台市生まれ。1990年電気通信大学卒、日本総合研究所入社。1994年日本オラクルに入社し、電力/ガス/鉄道/航空分野の顧客を担当。2000年同社東北支社開設と同時に支社長就任。2005年に同社を退職し、トライポッドワークスを創業。情報セキュリティ事業では20,000社を越える製品導入実績がある。新規事業として推進しているIoT事業では、映像解析技術を利用した土木や農業向けの映像サービスを展開おり、その派生事業として2年前から力を入れているドローン事業は、企業や自治体、大学など多くの顧客を抱えており、IT企業ならではの自動飛行プログラムの活用などで、設備点検や災害対策など各種実証実験にも多数関わっている。

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【講師3】小松崎常夫(セコム株式会社 常務執行役員)

【講義タイトル】 “想い”を込めたサービスのための先端技術 ~セコムドローン~

【講義概要】
1962年の創業以来、セコムは「困ったときはセコム」と呼ばれ信頼される企業を目指し、セキュリティ・防災・医療・保険・地理情報・情報通信・不動産の7つの分野でサービスを提供してきました。いずれの分野にも共通して重要なことは、異常の兆候となる変化を早く見つけ、その内容を適確に理解し、迅速に対応をすることです。この状況を把握するときには、空から俯瞰的に見ることは極めて有効です。その目的もあり、セコムでは空間情報技術を未来の重要技術と位置付けています。セコムドローンもその一環です。空間情報やセコムドローンなど様々な技術を連携し、“想い”を込めたサービスを構築するセコムの戦略についてお話しします。

【講師略歴】
1978年早稲田大学理工学部卒業、セキュリティ事業では地域本部長や本社の技術部門・営業部門の責任者を歴任。また、新規事業の企画推進も数多く担当し、医療・防災・地理情報などの事業に携わる。2005年セコム(株)執行役員に就任、2009年からIS研究所所長(現職)に就任し、「先端技術でサービスイノベーション」をモットーに研究開発を担当する。2014年セコム(株)常務執行役員(現職)。

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【担当教員】 中尾彰宏 nakao@nakao-lab.org