講演者：　章　蓉　（朝日新聞社デジタル編集部記者、東京大学大学院情報学環客員研究員）
コメンテーター：　奥山　晶二郎　（朝日新聞社デジタル編集部withnews編集長）
日時：2017年7月12日18：30～
場所：東京大学本郷キャンパス情報学環本館2階

【概要】
中国社会はいま、高度経済成長とともに世界最大のネット人口を抱える。多数のアマチュア・ネットユーザーたちの言論活動は、世論に大きな影響を与えており、ジャーナリズムとしての力を発揮してきた。他方で、経済格差に広がりとともに、ネット社会事件も多発している。学際情報学府卒業生、章蓉さんは、今年初め、こうした中国の状況を詳細に調査分析した博士論文を『コレクティヴ・ジャーナリズム　中国に見るネットメディアの新たな可能性』（新聞通信調査会　2017年1月）として出版した。

このブックトークでは、彼女の著書について、とくに中国のネット社会事件を触れながら、「コレクティヴ・ジャーナリズム」という概念の形成、今日における「コレクティヴ・ジャーナリズム」の意義などについて語ってもらう。また、本書の元となった博士論文の執筆には、長い歳月がかかり、途中、多くの挫折と困難に遭遇し、そして乗り越えた。そうした苦労や博士号取得以後の出版社との交渉、著者の出版までの道のり、出版助成を受けた経緯などについても話をしてもらう。さらに、ブックトークのコメンテーターとして、デジタル・ジャーナリズムの最前線で活躍し、朝日新聞社デジタル編集部withnews編集長　奥山晶二郎氏をお招きして、日本のデジタル・ニュース制作の現場から見た「コレクティヴ・ジャーナリズム」の可能性についても話してもらう。2016年7月 現在、 奥山氏が統括する withnewsは7700万PVに達した。

博士課程の学生をはじめ、これから博士論文執筆をする学生、あるいは出版をめざす多くの人に来てもらい、語り合う夕べとしたい。

本の著者：　章　蓉（しょう　よう）
プロフィール：　中国浙江省出身。北京大学卒業後、人民日報社・人民網記者・編集者を経て、2003年に来日。東京大学・大学院学際情報学府博士課程修了。博士（社会情報学）。2016年4月より朝日新聞社デジタル編集部（withnews編集部）記者。2017年6月より東京大学大学院情報学環客員研究員。

コメンテーター：　奥山　晶二郎（おくやま　しょうじろう）　朝日新聞社デジタル編集部withnews編集長