東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

研究Research

September 21, 2023

【マイブック】『AIから読み解く社会 ― 権力化する最新技術』(板津木綿子教授・久野愛准教授)【My Book】Prof. ITATSU, Yuko & Associate Prof. HISANO, Ai

「マイブック」は、学環学府の教員による著書を紹介するシリーズ記事です。著者からの一言とともに、新刊情報を中心にお届けします。新刊情報は学環学府ニューズレター『GAKKAN』の「BOOKS」コーナーでも紹介しています。(編集部)

 

『AIから読み解く社会―権力化する最新技術』
東京大学B’AIグローバル・フォーラム・板津木綿子・久野愛 編

私たちの生活に浸透するAIは、社会を映し出す鏡である。本書は、AIの社会実装のあり方が、社会制度や政治経済システム、社会格差、ジェンダーバイアスなど現代社会を反映し、同時に社会を作り出すものであることを複数の角度から論じている。AI技術が持つ可能性とその課題を分かりやすく解説した、AIと社会について考えるための入門書である。(久野愛准教授)

出版年月:2023年3月
出版社:東京大学出版会

 

【目次】

はじめに AI:不完全な人たちのための不完全な技術(林 香里)

Ⅰ インクルーシブな社会をつくる
第1章 言語にまつわるバイアスと自然言語処理(伊藤たかね)
第2章 権力装置としてのVR(畑田裕二)
第3章 発達障害を見える化する人工知能(長井志江)
第4章 AIとジャーナリズム(李 美淑)
文献案内(小平沙紀)

Ⅱ 人間らしくあるために
第5章 AIと労働市場(横山美和)
第6章 AIと共存する民主主義的主体に向けて(田中 瑛)
第7章 AI時代の五感と身体(久野 愛)
第8章 人間らしい言語処理モデルの開発(大関洋平)
文献案内(板津木綿子)

Ⅲ AIに潜む脅威
第9章 越境する身体――AI時代の国際移動の管理(アナ・べドゥスキ/マシュー・スエダ訳)
第10章 リプロダクティブ・ヘルス/ライツの尊重とAI――『殺人出産』から考える日本の最先端生殖医療の未来(佐野敦子)
第11章 歴史博物館におけるAIと歴史証言(矢口祐人)
第12章 アルゴリズムバイアスと南北問題 「AIガバナンスの厄介な問題」(アニタ・グルマーシー、ナンディニー・チャミ/大月希望訳)
文献案内(大月希望)

Ⅳ ともに生きるためのビジョン
第13章 想像と創造の循環からうまれるAIとポピュラーカルチャーの未来(板津木綿子)
第14章 AI/アルゴリズムとインターセクショナルなフェミニズム(田中東子)
第15章 AIを描いてみよう!――メディアの隠喩的理解を育むワークショップ(水越 伸)
第16章 AIのELSIとガバナンス――科学技術社会論の観点から(横山広美・一方井祐子)
第17章 科学技術と権力――AIがもたらすマイクロ権力のあぶく(佐倉 統)
文献案内(キム・カヨン)

おわりに(板津・久野)
索引

 

 


主担当教員Associated Faculty Members

准教授

久野 愛
  • アジア情報社会コース

Associate Professor

HISANO, Ai
  • ITASIA program