東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III/GSII

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June 18, 2025

ユビキタス情報社会基盤研究センター、Sovity社およびNTTデータグループと、データスペース普及に向けた国際ワークショップを開催
〜全5回の実践型プログラムを通じ、最新技術「DSaaS」による国際連携を推進〜

【概要】

東京大学大学院情報学環・ユビキタス情報社会基盤研究センター(センター長:越塚登 同大学大学院情報学環教授)は、2025年2月から4月にかけて、ドイツのスタートアップ企業 SovityおよびNTTデータグループと連携し、信頼性を確保しつつ多様な主体間のデータ共有を実現するデータスペースの普及を目的とした国際ワークショップを開催しました。本ワークショップでは、Sovityが提供する最新技術「Dataspace as a Service(DSaaS)」を活用し、データスペース初学者向けにデータスペースの実践的な構築・運用に取り組むハンズオン形式のプログラムが実施されました。国内の研究者・技術者が参加し、グローバルなデータ連携の可能性と課題について活発な議論が交わされました。本ワークショップは、ユビキタス情報社会基盤研究センターに設置された「データスペース技術国際テストベッド(ITDT: International Testbed of Dataspace Technology)」の活動です。なお、ワークショップの内容や技術的な詳細は、ITDTウェブサイトにてご確認いただけます。

https://webpark5033.sakura.ne.jp/wp8/?page_id=328

ITDTでは、データ主権とトラストの実現を目指す新たな枠組み「データスペース」の社会実装に向け、国内外のプレイヤーとの連携による実証・教育活動を展開しています。東京大学は2023年に、豊かなデータ社会の実現を目指すデータ社会推進協議会(DSA: Data Society Alliance)および、国際的なデータスペースの標準の確立・推進を目指す団体であるIDSA(International Data Spaces Association、ドイツ)との3者間で連携協定(MoU)を締結し、多様なステークホルダーと協働しながら、データスペースの構築に取り組んでいます。

Sovityは、欧州におけるデータスペース推進の中核的な役割を担っています。今回の同社とのワークショップの共同開催により、日本国内におけるデータスペースの普及とともに、国際標準との整合を重視した技術交流がはかられました。

ITDTでは今後も、こうした国際連携をさらに推進し、データスペースに関する教育・技術紹介・実証実験を継続的に実施し、オープンで持続可能なデータエコシステムの形成に貢献していく所存です。データスペースに関心をお持ちの企業・団体・研究者の皆様におかれましては、ITDTへのご参加を、心よりお待ちしております。