東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

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April 15, 2024

高橋宙照さん(先端表現情報学コース修士課程2年・筧康明研究室)が第29回学生CGコンテストでアート&ニューメディア部門優秀賞を受賞しました。

先端表現情報学コース修士課程2年・筧康明研究室の高橋宙照さんの作品『愛したものの居場所』が第29回学生CGコンテストでアート&ニューメディア部門優秀賞を受賞しました。
https://campusgenius.jp/news/info/1179/

作品概要

この作品は、作者が東京藝術大学での学部卒業制作として取り組んだものです。10mを超える自作のテントの中で、5chビデオと6.2chオーディオによって展開される映像インスタレーションであり、映像にはアニメーション、実写、CGなどをコラージュ的に組み合わせた世界観が広がっています。作品の中では映像というメディアに対する批評、また作者が学部時代を通して考えてきた死という事象に対しての考え、作品のみならず作品を展示する場を作り出すということについてなどのコンセプトが複雑に絡み合いながら構成されています。鑑賞者はテントという作者が用意した領域の中に入り、自身を囲むように配置されたスクリーンの映像を鑑賞し、テントを出るという一連の経験を通し、これらのコンセプトを考えられるように設計されています。映像の中では海から打ち上がるものたちに恋をする男の物語が描かれます。男はその姿に惹かれ、いつしかより近くで彼らを感じたいと思うようになり、海の中へ潜っていきます。深く深く潜った先で彼は自分が愛したものたちと戯れ、共に時間を過ごしていきますが、最後にそれは自分自身の慣れ果てだったことに気が付きます。その瞬間に世界が反転し、男は次の男を迎える打ち上がるものたちの1つになります。

先端表現情報学コース修士課程2年・筧康明研究室の高橋宙照さんの作品『愛したものの居場所』

高橋宙照さんのコメント

このような賞をいただき、ありがとうございます。
この作品を完成させるために力を貸してくれた多くの友人や、アドバイスをくれた多くの方々に感謝したいと思います。この作品は完成度が高い作品というよりも、かなり泥臭く作られた作品だと思っています。卒業制作だからこそ自分がこれまでやったことのないことを大きい規模でやろうという勢いで走った結果、多くの人たちの力添えがありながらなんとか完成させた作品でした。その意味で作品の最終的なアウトプットのみならず、その過程の部分も評価していただけたのはとても嬉しいことであり、これからも作品制作および発表を続けていきたいと改めて実感しました。