東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

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January 25, 2023

NEXCO東日本 渋滞予測チャレンジコンテストの開催
~高速料金・ルート検索データを活用して高速道路の渋滞を予測しよう!~

NEXCO東日本(東京都千代田区)と東京大学大学院情報学環(東京都文京区)は、渋滞予測チャレンジコンテストを開催します。交通量や速度データに加え、今まで活用していなかった、高速料金・ルート検索データ(高速道路のお出かけ予定情報)を利用して渋滞予測を行っていただくものです。今回のコンテスト結果を活用することで、新たなアイデアによる渋滞予測の高度化を目指します。(募集期間:1月25日~3月31日)

1.チャレンジコンテストの概要

モデリング部門:
NEXCO東日本から提供するデータを基に渋滞予測アルゴリズムを開発し、2023年4月1日~5月7日間の指定日(GW期間含む)の渋滞予測を行っていただきます。なお、従前の予測で利用していた交通量や速度データに加えて、今回は高速道路のお出かけ予定情報である高速料金・ルート検索データを活用した予測となります。

アイデア部門:
NEXCO東日本から提供するデータに加えて、外部提供のデータも活用し、高速道路をテーマとした新規サービスのアイデアを提案していただきます。

(概要の詳細は後述をご参照ください)

2.スケジュール

2023年1月25日   応募開始
2023年2月16日   説明会
2023年3月31日   応募締切
2023年4月~5月   モデリング部門の渋滞予測の予測精度評価
2023年6月      1次選考(書類等審査による最終選考候補者選定)
2023年7月      最終選考(プレゼン審査によるモデリング賞及びグッドアイデア賞の選定)、表彰式

3.応募資格

法人・個人問わず、どなたでも応募可能です。

4.応募方法

コンペティションサイト「SIGNATE」に公開する本コンテストの専用ページからお申し込みください。
URL: https://signate.jp/competitions/932

5.審査員

東京大学大学院 情報学環 教授 越塚 登
東京大学 空間情報科学研究センター 准教授 澁谷 遊野
モビリティジャーナリスト 楠田 悦子
NEXCO総研 交通環境研究部 交通研究担当部長 邢 健
NEXCO東日本 管理事業本部 ITS推進部長 中西 規祥

6.チャレンジコンテストとは

本コンテストは、NEXCO東日本と東京大学大学院情報学環が、2011年に締結した『情報社会基盤に関する研究協力協定』に基づいた、「データ利活用の取り組みに関する共同研究」の一環です。
NEXCO東日本が、より安全・安心な交通の未来を作るために取り組んでいることの1つが渋滞予測です。渋滞に関する研究は、発生原因・緩和の方法などが見つかっているものの、予測を行う実務では長年の経験に則した予測を行っています。本コンテストは、同社の掲げる「自動運転社会の実現を加速させる次世代高速道路の目指す姿(構想)」(2021年4月28日発表)の重点プロジェクト(6)・(29)の1つとして、ビッグデータの活用による渋滞予測の精度向上を目的とした革新的なデータ分析事例・アイデアを募集するものです。

NEXCO東日本グループでは、2021~2025年までの期間を「SDGsの達成に貢献し、新たな未来社会に向け変革していく期間」と位置づけ、様々な取組みを行っています。
今回の渋滞予測チャレンジコンテストの開催については、渋滞緩和による安全な道路空間の提供につながる事業活動としてSDGs目標の3番、9番に貢献するものと考えています。

 

 

お問い合わせ先

【報道関係者専用】
NEXCO東日本広報課 Tel. 03-3506-0175
東京大学大学院情報学環 越塚研究室  mail:office_at_koshizuka-lab.org (※_at_は@に置き換えて下さい)

【お客さま窓口】
NEXCO東日本お客さまセンター Tel. 0570-024-024 または、 Tel. 03-5308-2424

 

【コンテストの各部門の詳細について】
1)モデリング部門

課題内容:トラカンデータ(※1)や「ドラぷら」ルート検索データ(※2)等から、翌日の0時〜24時までの渋滞の有無を1時間毎に予測するアルゴリズムを作成し、期間内の指定日における渋滞を予測していただきます。
対象期間:2023年4月1日~5月7日間の指定日(GW期間含む)
対象路線:関越自動車道・館山自動車道
提出成果:予測モデル(ソースコード、学習済みモデル等)
評価方法:提出された予測と実際の渋滞結果を比較し、定量的に精度賞の対象を選定
副  賞:精度賞1位40万円 、2位25万円 、3位10万円、モデリング賞25万円(精度賞受賞者を対象に予測モデルの定性評価)
分析用データ:トラカンデータ、ドラぷらルート検索データ、観測日時、渋滞状況、高速道路の各区間情報(マスターデータ)。各データはコンテストサイトにてNEXCO東日本より提供。提供対象期間は2021年4月8日~2022年7月31日。

※1 トラフィックカウンターによって計測される速度や交通量のデータ。首都圏近郊では概ね2km間隔で埋め込まれており、車の速度や状態などから高速道路が渋滞しているかどうかを判別しています。
※2 NEXCO東日本HP ドラぷらで、お客さまが出発・到着インターチェンジを選んで高速料金・ルートの検索を行った結果のデータです。

 

2)アイデア部門

課題内容:重要な社会インフラである高速道路をテーマに、データを活用したアイデア(サービス・既存サービスの追加機能など)を提案していただきます。テーマは、高速道路に関連すればどのようなものを設定していただいても構いません。(応募テーマ例参照)
提出成果:レポート(PDF)
分析方法:分析手法・着想も人工知能技術に限定せず、どのようなものを用いても構いません。ただし、アイデアを第三者に理解してもらうために、分析の目的、アルゴリズムや結果の表示の仕方にご注意ください。
副   賞:グッドアイデア賞20万円(2名)
分析用データ:モデリング部門で提供されるデータに加え、当社以外の外部組織が提供するデータの利用も可能です。また、現在取得されていなくとも今後取得できる可能性があるデータ(例:1cmレベルの位置情報の取得)を想定したアイデアも可能です。

 

〈アイデア部門 応募テーマ例〉

①持続可能な高速道路を目指したエンターテインメントサービス
・課題:日本の総人口が減少傾向にあることで、将来的な高速道路利用者の減少が危惧される中、十数年後に向けた持続可能な高速道路の運営。
・目的:データ活用により高速道路での運転や車内の時間が心地よくなることで、高速道路利用者を増加させる。
・利用可能なデータ例:
 ・トラカンデータ
 ・ドラぷらデータ
 ・高速道路の渋滞・規制情報(ドライブトラフィック) など

②カーボンニュートラルに貢献する高速道路の実現
・課題:「2050年カーボンニュートラル」に伴うグリーン成長戦略が推進される中、日本の社会および経済活動に必要不可欠な社会基盤である高速道路の維持。
・目的:データの活用による高速道路の維持・管理・利用方法(料金体系)・建設アイデアの最適化をすることで、カーボンニュートラルに貢献する高速道路を実現。
・利用可能なデータ例:
 ・高速道路の交通量
 ・国土数値情報の高速道路時系列データ
 ・全国道路施設点検データベース~損傷マップ~(国土交通省道路局国道・技術課提供) など

③持続可能な高速道路の実現のためのデータ連携
・課題:ICT、AI、ロボティクス、センサー、デジタル通信(5G、6G)、ビッグデータ活用などの急速な技術革新の中、高速道路のデータ活用状況。
・目的:高速道路で収集するデータ・外部のデータを活用し、持続可能な高速道路の実現。
・利用可能なデータ例:
 ・工事規制情報
 ・全国の高速道路のサービスエリアやパーキングエリアのデータ
 ・国土数値情報の重要物流道路データ など