東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

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January 19, 2023

関谷直也准教授の著書『災害情報 東日本大震災からの教訓』(東京大学出版会)が、『第31回 2022年度大川出版賞』を受賞しましたAssociate Professor Naoya Sekiya (Center for Integrated Disaster Information Research, III) wins the 31st Okawa Publications Prize

関谷直也准教授(情報学環附属総合防災情報研究センター)の著書『災害情報 東日本大震災からの教訓』(東京大学出版会)が、第31回2022年度大川出版賞を受賞しました。

大川出版賞は、情報・通信分野に関する優れた図書について、これを表彰すると共に、情報・通信分野のさらなる発展と啓蒙に寄与していこうとするものです。情報学環教員の受賞としては2件目になります。

授賞理由は以下の通りです。

「本書は、情報通信が進展していく社会の中で「災害情報」のありかたについて課題を提起し、解明を試みている。この分野は、言うまでもなく、今後、ますます重要視される領域の一つである。具体的には、東日本大震災を中心とした事例をもとに、社会心理学の観点から、災害に関する人々の心理、認知と避難行動、集合現象の実態を述べ、それに影響を与えるメディアや災害情報について深く広範に論じている。さらに、日本における災害文化や教育、情報共有等についても言及し、今後起こりうるリスクとその対応について多くの有用な提言をしている。著者はこれまで、災害情報研究において、自らが中心となって多くの社会調査を手がけてきた。これらを詳細に分析し、実証的かつ体系的に防災対策上の問題点と課題を明解に述べており、随所に自己批判を含む分厚い論理の構築もあり、その論証には説得力がある。また、情報通信技術との関わりについて災害時におけるソーシャルメディアや安否確認情報システム等の特性と限界も包括的に検証している。他に類著は少なく独創性に富んでおり、これまでの著者の実践的な研究を集大成した優れた労作といえる。」

なお、本書に関しては第21回ドコモ・モバイル・サイエンス賞(社会科学部門・優秀賞)に次ぐ受賞になります。