November 22, 2018
Fintech協創圏シンポジウム「グローバル金融の現在・過去・未来」を開催
去る2018年11月22日、Fintech協創圏シンポジウム「グローバル金融の現在・過去・未来」が東京大学東日本大震災復興支援哲学会議(座長:一ノ瀬正樹・文学部哲学科名誉教授)と小研究室の主催、韓国国立ソウル大学国際大学院と大学院情報学環の共催で開催された。
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シンポジウムは、基調講演として中曽宏・東京大学金融教育研究センター特任教授(前・日本銀行副総裁)から「リーマン破綻から10年―経緯と課題」として、2008年の金融危機を乗り切った当事者としてドル不足やスワップ・ネットワークによる危機回避策を鳥瞰するグロ―バルな対策の必要性が提示された。
これを受けて前・韓国京畿道知事で、前回の韓国大統領選挙での予備選候補でもあった南景弼(ナム・ギョンピル)氏からAPEC決裂直後の国際情勢のもと、リベラリズムに基づくグローバル協調の重要性が指摘され、元・大蔵省・前衆議院議員で公認会計士の桜内文城氏より、1997年のアジア通貨危機直後に同氏が学位論文として纏めた公会計の枠組みに産業連関分析の数学手法を取り入れたLS行列理論と、それを応用する決済ネットワークの紹介があった。小研究室ではこの桜内氏のスキームを数理モデルとして拡大し、ブロックチェーンなどの電子決済手段を導入した統合モデルによる実証分析を進めており、マクロ経済と金融を一貫した観点で扱い現実の会計情報に基づく拡大マクロ・プルーデンスによる検証の必要性、実体経済成長に向けての投資の重要性などが確認された。約100名を集め、4時間に亘ったシンポジウムは、今後の発展的な課題解決への期待のもと、熱気のうちに終了した。本シンポジウムの実現に当たってご尽力頂いた関係ご各位への心からの感謝とともにご報告する。
(伊東 乾)