東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III/GSII

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June 26, 2025

中村𠮷雄さん(社会情報学コース博士課程2年/関谷直也研究室、陸前高田市防災局長)が、「AIを活用した音声型安否確認システム『シン・オートコール』の開発~一斉架電とAIを活用した音声認識による避難状況や安否情報等を文字化し集約するシステムの構築~」で『地域安全学会技術賞』を受賞

学際情報学府関谷研究室博士課程2年中村𠮷雄さん(陸前高田市防災局長)が、陸前高田市防災氏防災局諸氏、鈴木巧(株式会社NTT DXパートナーのシニアインベンター、NTT東日本 特殊局局長補佐)とともに『地域安全学会技術賞』を受賞しました。

2025年5月16日地域安全学会春季研究発表会(於:人と防災未来センター・JICA関西)において、表彰式と受賞記念講演が行われました。

地域安全学会技術賞とは、地域社会における安全性および住民の防災意識の向上を目的として開発され、顕著な貢献をしたすぐれた技術(システム、手法、防災グッズ、情報技術、マネージメント技術を含む)を対象とす るものです。

受賞対象は、「AIを活用した音声型安否確認システム『シン・オートコール』の開発~一斉架電とAIを活用した音声認識による避難状況や安否情報等を文字化し集約するシステムの構築~」です。このシン・オートコールとは、登録してある住民に音声で一斉に自動架電(オートコール)し、AIを活用して音声認識により、避難の状況や安否情報等の返答を文字化して集約するシステムです。このシステムは、自動架電することで職員の省力化と導入コストの低廉化を実現しました。また入力側は音声だけで完結するためAIを意識せず、繰り返しの架電によって確実性を担保しつつ、PCやスマートフォンなどでの操作を不要とするシステムです。また、自由発話された音声の中で事前に設定した緊急ワードをAIが抽出することで情報のトリアージを可能としています。

令和5年11月5日より、岩手県陸前高田市において全国初導入され、現在、各地で導入が検討されています。他にも、職員の参集や避難所の情報の集約にも活用が可能であり、平時には、高齢者の見守りなどにも利用可能です。高齢者の見守りなどでは、品川区などでも導入され始めており、極めて応用性の広いものです。