東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

研究Research

September 28, 2017

国際シンポジウム「 民主主義 ・ ポピュリズム ・ グローバリゼーション ― アート から考える現代世界の地政学」International Symposium "Democracy, Populism and Globalization: Geopolitics from the Perspective on Art"

2017年9月3日、福武ラーニングシアターにて、北田研究室AMSEA(社会を指向する芸術のためのアートマネジメント育成事業)/社会の芸術フォーラムによる国際シンポジウムが開催されました。登壇者は邱君(キュウ・クン)(アートディレクター)、加藤翼(アーティスト)、竹田恵子(文化研究/東京大学)、陳海因(文化研究・社会学/東京大学大学院)、藤原帰一氏(国際政治学/東京大学)、総合司会は北田暁大(社会学/東京大学)がつとめました。

開催主旨はつぎのようなものでした。アメリカ合衆国におけるトランプ政権の誕生、イギリスのEU離脱、フランスにおける極右政党の勃興など、ここ数年、民主主義が、しばしば排外主義・孤立主義を随伴したポピュリズムにより覆われ、世界各地で民主主義の危機が叫ばれています。しかし民主主義はポピュリズムを胎胚しているともいえ、単純にポピュリズム=悪、民主主義=善ということはできません。もちろん日本でもこの流れは無視できなくなってきています。こうした状況を、アーティストはどのように再定式化し、その再定式化にもとづきいかなる実践を試みているのでしょう。アートによる民主主義的な実践とはどういったものがあるのでしょうか。アートが政治状況を批判的に(または肯定的に)捉え、実践するにあたっての問題とは何なのでしょうか。
 
陳氏が、中国の改革開放以降の政治的状況とアートの関係について発表した後、それらのアートをつぶさに観察してきた視点をもとに邱氏が現在の氏の取り組みについて述べました。加藤氏はさまざまな地域で行った構造物を引き倒し、引き興すといった参加型アートプロジェクトにおける取組みとその政治との関係について述べました。藤原氏は現在の世界的な政治状況を概観した後、事例を挙げながらポピュリズム的な戦争表現と高踏的な表現について対比しながら、それぞれの問題点を指摘しました。会場はほぼ満席で、盛況のうちに終了しました。

*Photo1: Break it Before it’s Broken (2015)
*Photo2: H.H.H.A.(The Home, Hotels, Hideyoshi, Away) 2 (2011)
(Courtesy of MUJIN-TO Production)

記事:竹田恵子(特任准教授)

On 3rd of September, a symposium co-organized by AMSEA and The Forum for Art of Society was held at Fukutake Learning Theatre. The symposium’s theme was to consider how artists practice under different political conditions all over the world. It is said that democracy is endangered by populism and xenophobia in many countries. However, democracy always contains within itself the seeds of populism. How do artists understand, resist and negotiate the situation? Presenters were Mr. Qiu Jun (Art director), Mr. Tsubasa Kato (Artist), Ms. Kain Chen (Sociology/Cultural Studies, GSII), Mr. Kiichi Fujiwara (International Political Science, The University of Tokyo), Ms. Keiko Takeda (Cultural Studies, The University of Tokyo), and Prof. Akihiro Kitada (Sociology, The University of Tokyo). The symposium was well attended and participation was enthusiastic.

*Photo1: Break it Before it’s Broken (2015)
*Photo2: H.H.H.A.(The Home, Hotels, Hideyoshi, Away) 2 (2011)
(Courtesy of MUJIN-TO Production)

This article was written by Keiko Takeda (Adjunct Associate Professor)


主担当教員Associated Faculty Members

教授

北田 暁大
  • アジア情報社会コース
  • 社会情報学コース

Professor

KITADA, Akihiro
  • ITASIA program
  • Socio-information and communication studies course