東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

研究Research

June 8, 2017

情報社会基盤卓越講義シリーズDistinguished Lecture Series on Information Social Infrastructures

In the light of the progress of planetary-scale technological competition for dominance in information society infrastructure, such as data acquisition and analysis beyond national borders, export of communication infrastructure through network softwarization, virtual currency without guarantee of value by a specific state, etc., we believe that it is essential to carefully study the latest trends in information society infrastructure technologies from interdisciplinary view points and have started “Distinguished Lecture Series on Information Society Infrastructures” in February 2017.

国境を越えて進むデータの寡占化、ソフトウェア化による通信基盤の輸出、特定の国家による価値の保証を持たない仮想通貨など、情報社会基盤技術における地球規模の覇権争いが進むなか、東京大学大学院情報学環では、平成28年度、文理越境の観点から情報社会基盤技術の最新動向の把握が必要であると考え、本分野における卓越大学院教育プログラムの設計を開始しました。

情報社会基盤卓越講義シリーズ」はその実践として、平成28年度2月から3月にかけて国内外の著名な情報社会基盤技術の研究者を招聘し、全14回の集中オムニバス講義として開講されました。本講義シリーズでは、受講者を学内だけでなく一般からも募り、パイロット講義という位置づけのもと受講者のフィードバックを得ることを目指していました。結果として、学内だけではなく、一般も含める聴講者の全員から卓越講義を再度受講したいという強い要望をもらうことができ、卓越大学院教育プログラムが学内外において意味のあるものになり得ると確信しました。現在、平成29年度後半に下記のテーマを扱う正規の講義科目として開講することを検討しています。

1) 情報通信基盤(ソフトウェア化が切り拓く柔軟な情報通信基盤技術)
2) AI・機械学習(技術だけではなく政策や倫理的視点からみたAI・ML技術)
3) Human Computer Interaction(人間と計算機の相互作用)
4) FinTech・仮想通貨基盤(金融と工学の学際から創造される新しい価値構造)
5) 科学技術社会論(科学技術と社会の相互作用を読み解き展望する)
6) ビッグデータ・オープンデータ流通基盤(あらゆるデータをオープンに活用するための流通基盤技術)
7) IoT/IoA(「もの」のインターネットから「能力」のインターネットへ)
8) 医療情報・生物統計学(医療と情報学の学際、生物学と統計学の学際)
9) 情報セキュリティ(技術だけではなく政策・社会実装・倫理的視点からみた情報セキュリティのあり方)
10) 情報倫理・アセスメント(技術を文理越境の観点から俯瞰し倫理的に評価)

卓越大学院教育プログラムは、情報学環・学際情報学府が進める異分野連携型人材育成卓越大学院構想*の一環でもあります。情報社会基盤技術分野における講義シリーズを通じて、講師として招聘を依頼した組織(企業・研究所・政府自治体など)との連携を強化し、大学院構想の実現に近づけたいと思っています。学外では、日本経済団体連合会、UCL(University College London)、社会情報学会、マイクロソフト、IBM、日立製作所、ソニー(寄付講座)などとの新たな連携先を開拓し、学内では、大学総合教育研究センター、医学系研究科などとのさらなる連携強化を実現しています。

*情報学環・学際情報学府が進める異分野連携型人材育成卓越大学院構想「IoX: Internet of X」は、情報社会基盤技術をスクラッチから創造可能(creation from ground up)、かつ「新しい学際の観点」から世界に向けて社会実装・展開可能(planetary scale deployment) な人材を育成する、「我が国最高峰の精鋭教育」を目的としています。

記事:中尾彰宏(教授)


主担当教員Associated Faculty Members

教授

中尾 彰宏
  • 総合分析情報学コース
  • 生物統計情報学コース

Professor

NAKAO, Akihiro
  • Applied computer science course
  • Biostatistics and bioinformatics course