東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

山中 俊治

Professor

YAMANAKA, Shunji

LAB WEBSITE

山中俊治の「デザインの骨格」
http://lleedd.com/blog/

  • 先端表現情報学コース

研究テーマ

  • デザイン・エンジニアリング
区分:
学環所属(基幹・流動職員)
  • Emerging design and informatics course

Research Theme

Position: 
III Faculty (Core & Mobile)
略歴

1982年東京大学工学部卒。日産自動車を経て87年に独立。91~94年東京大学客員助教授。
94年リーディング・エッジ・デザインを設立。2008年より慶應義塾大学教授。2013年より現職。


かつて、大衆の消費行動を喚起するためのテクニックであったデザインは、今や、ものづくりにおける最上流行程となった。 そこでは、刻々と変化する社会の状況を把握しつつ、未来のテクノロジーがもたらすであろうものを洞 察し、将来の人々の生活様式とそのベースとなる価値観を、ビジョンとしていち早く提示することが求められている。その意味でデザインは、表面的な「見栄 え」をコントロールする技能ではなく、「人と人工物の間に起こることほぼすべて」を計画し、実施する根本的な技術となった。

こうした状況を踏まえて、人と人工物の未来、来るべき価値観を提示するための、重要な鍵となるのが「プロトタイピング」である。

ここで言うプロトタイプは単なる実験機ではない。技術によって人々が得られるであろう体験を前もって提示し、それがもたらすベネフィットを広く共有するための、実体を持ち、かつ象徴的な製作物である。

その役割は、研究開発の現場にあっては研究開発の方向性を先導し、組織全体のメンバーに新しい価値観を提示しその共有を促す。さらにはプロトタイプを、ネットやマスコミ、あるいは展覧会、展示会などで発表し展示することによって、社会に研究開発の意義を訴え、将来の市場を喚起したり、更なる研究開発のバジェットを獲得したりするためのツールでもある。言い換えればプロトタイプは、技術者の夢を生活者の幸福へとダイレクトにつなぐ、フィジカルコンテンツなのである。

デザイナーとしての私は、2001年に工学部田中正人研究室と協力して開発したtagtype両手親指キーボード(ニューヨーク近代美術館収蔵)を皮切りに、ヒューマノイドロボットや情報端末、情報インフラ、プロジェクションマッピング、など、先端研究の成果をデザインして形にするというプロトタイプの制作をおこなってきた。2008年より慶應義塾大学においても、「生物らしさ」を抽出したロボット群や、人間の能力を拡張する装置としての義足や義手などを研究している。

2013年度、東京大学 生産技術研究所に新たなデザイン・エンジニアリングの拠点を開設し、より高度なプロトタイピングによってデザインの未踏領域に踏み込むことを目指す。

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