東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

渡邉 英徳

Professor

WATANAVE, Hidenori

LAB WEBSITE

Twitter: @hwtnv
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  • 文化・人間情報学コース
  • 先端表現情報学コース

研究テーマ

  • 記憶の解凍:情報デザインとデジタルアーカイブ
区分:
学環所属(基幹・流動教員)
  • Cultural and human information studies course
  • Emerging design and informatics course

Research Theme

  • Reboot Memories: Information Design and Digital Archives
Position: 
III Faculty (Core & Mobile)
略歴

1974年生。東京理科大学理工学部建築学科卒業(卒業設計賞受賞),筑波大学大学院システム情報工学研究科博士後期課程修了,博士(工学)。株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント,首都大学東京システムデザイン学部准教授を経て,2018年より現職。京都大学地域研究統合情報センター客員准教授,ハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所客員研究員などを歴任。

主要業績
  • 2016年度日本新聞協会賞(岩手日報社との共同研究成果)
  • ジャーナリズム・イノベーション・アワード 2015・2016 最優秀賞
  • 第13・14・19回 文化庁メディア芸術祭 審査委員会推薦作品選出
  • 2013年度グッドデザイン賞 グッドデザイン・ベスト100選出 および 復興デザイン賞受賞
  • 株式会社ほぼ日「ほぼ日のアースボール」コンテンツ共同研究・開発

詳細な業績についてはResearchMapを参照

関連リンク

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http://labo.wtnv.jp/

Biography

Hidenori Watanave is a Professor at The University of Tokyo Interfaculty Initiative in Information Studies.

He received BE (Diploma Award) and ME degrees in Architecture from the Tokyo University of Science and PhD in Engineering from the University of Tsukuba.

He was consecutively a game creator at SONY Computer Entertainment, a Visiting Scholar at Harvard University, a Visiting Associate Professor at Kyoto University, and other institutes.

Achievements
  • Japan Newspaper Publishers and Editors Association Award 2016 (A joint research with Iwate Nippo)
  • Grand Prix, Journalism Innovation Awards 2015 & 2016
  • Jury Selections, The 13,14 an 19th Japam Media Arts Festival
  • Joint research and development of contents of “Hobo-Nichi no Earth Ball”

CV: https://researchmap.jp/hwtnv

Related Links

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記憶の解凍

戦災・災害の資料は,過去の災いの記憶を未来に伝え,社会に活かしていくために重要なものである。しかし日々,社会に蓄積されていくこうした資料は,いまだ十分に利活用されているとはいえない。私たちは,社会において“ストック”されていた資料を“フロー”化し,そこから創発するコミュニケーションによって情報の価値を高め,記憶を未来に継承する営み=「記憶の解凍」のあり方について研究している。

多元的デジタルアーカイブズと記憶のコミュニティ

「ヒロシマ・アーカイブ」などの,戦争・災害のデジタルコンテンツを制作している。これらのコンテンツでは,多元的なデータがまとめられ, VR・AR空間にマッシュアップされる。この情報デザインにより,ばらばらの粒子のように“ストック”されていたデータが結び付けられ,液体のように流れる“フロー”となる。その“フロー”は,手元のデジタルデバイスを通して身の周りの時空間に溶け込み,未来へ向けて流れていく。これを「多元的デジタルアーカイブズ」と呼ぶ。

さらに,戦争・災害の体験者と若者が参加する,ボトムアップの運動体を形成している。この運動体においては,「多元的デジタルアーカイブズ」が生み出す “フロー”によって,人々のあいだにコミュニケーションが創発する。そこから生まれた「証言」のデータがアーカイブズに還流し,“フロー”をさらに成長・進化させていく。これを「記憶のコミュニティ」と呼ぶ。

「多元的デジタルアーカイブズ」と「記憶のコミュニティ」は相補的にはたらき,過去の記憶を「解凍」しつつ,未来に継承している。

人工知能技術による白黒写真のカラー化

人工知能技術を応用して,社会に“ストック”されていた白黒写真をカラー化する活動を展開している。さらに,それらの写真をソーシャルメディアでシェアして “フロー”化し,コミュニケーションを創発させている。この活動においては,白黒写真がまとう“凍った”過去のイメージが,人工知能・ソーシャルメディアで“溶かされ”,記憶が「解凍」される。また,「記憶のコミュニティ」の活動の一環として,カラー化した戦前の写真をもとに,戦争体験者と若者たちが語り合うワークショップも実施している。

情報デザイン・コミュニティデザイン手法の応用

「記憶の解凍」についての研究のなかで生み出された情報デザイン・コミュニティデザインの手法を活かし,学生チームとともに,さまざまなプロジェクトを展開している。例として,「台風リアルタイム・ウォッチャー」や「ほぼ日のアースボール」コンテンツなどがある。

Reboot Memories

We propose the activity “Reboot Memories” that increases the value of information by converting “stocked” records in the society into “FLOWING” and inherits past memories to the future based on emerging communication.

The “real aspect” of past events includes pluralistic viewpoints of people of that time. Therefore, digital archives containing pluralistic and accurate materials are important as a social infrastructure for inheriting the “real aspect”. However, such digital archives may not be fully utilized yet. Thus, we will be able to solve this problem by appealing the value of archived records to society and forming motivation for utilization.

In modern society, it is worthwhile not only “stocked” data but also emerging communication by “FLOWING” generated from the data by information design. Therefore, we will create “FLOWING” from “stocked” records in digital archives / society, and create emerging communication. This method will increase the value of information and inherit memories by creating motivation for inheritance in the society.

In our laboratory, we define this activity as “Reboot Memories” and are studying three themes, “Pluralistic Digital Archives”, “Community of Memory” and “Collaboration with Artificial Intelligence”.