東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

目黒 公郎

Professor

MEGURO, Kimiro

LAB WEBSITE

Meguro&Ohara LAB. 都市防災軽減工学
http://risk-mg.iis.u-tokyo.ac.jp/

  • 先端表現情報学コース

研究テーマ

  • 都市防災マネージメント
区分:
学環所属(基幹・流動職員)
所属:
情報学環/生産技術研究所
  • Emerging design and informatics course

Research Theme

  • Urban Disaster Management
Position: 
III Faculty (Core & Mobile)
Department: 
Interfaculty Initiative in Information Studies/Institute of Industrial Science
略歴

工学博士(東京大学)

1991年 東京大学大学院 工学系研究科 博士課程修了、工学博士

1992年 東京大学生産技術研究所 助手

1995年 東京大学生産技術研究所 助教授

2004年 東京大学生産技術研究所 教授

2006年 東京工業大学 特任教授兼務

2007年 東京大学生産技術研究所 都市基盤安全工学国際研究センター長

2010年 東京大学大学院 情報学環 教授

主要業績

著書の情報は目黒公郎研究室(BOOK)をご覧ください。

詳細な業績は目黒公郎研究室(研究業績一覧)をご覧ください。


我が国は、その地球科学的な立地特性から美しく豊かな国土を有していますが、同時に地震や火山、台風や豪雪など、多種多様な災害の多発国です。特に 活動度の高い時期に入ったといわれる地震は、今後30~50年くらいの間に、M8クラスの巨大地震が4~5回、兵庫県南部地震や発生が危惧される首都直下 地震などのM7クラスの地震は40?50回発生すると考えられています。

 

適切な対策を講じないと、上で紹介した一連の地震による被害は、最悪のケースでは200万棟規模の全壊・全焼の建物被害や、わが国のGDPの4割を 超えるほどの経済損失が発生する可能性があります。1923年の関東地震(M7.9)による被害は、死者・行方不明者約10.5万人、被害総額は当時の GDPの4割を越えました。しかし当時と今では、世界の経済に及ぼす影響は同じGDPの4割でもまったく違います。関東地震の際には、外交上の思惑もあ り、他の経済大国がわが国の復興支援をしてくれました。しかし今日同じ規模の支援を望むことは不可能です。

意識改革の重要性

地震防災の最終目的が地震被害の最小化であること言うまでもありません。しかし多くの関係者が現状の問題点を踏まえた上で、それらの問題が何を原因 として未解決なのかを分析し、それを解決する努力を十分してきたでしょうか。地震防災に関係する科学者や技術者が、そして行政関係者が、自分の枠の中だけ で満足し、科学者は科学的メカニズムにだけ興味を示し、技術者は技術的な問題だけに取り組み、行政関係者は自分の所轄の議論に終始していないでしょうか。 自分たちの勝手な思い込みによる目的と社会からの期待の間にギャップはないでしょうか。自分の枠内の個別な問題が解決されれば、最終的な目的が達成される と勘違いしていなでしょうか。そうでないことをわかっているくせに、それを敢えて伏せて、「自分はまあこれをやっていればいいか、将来的には防災につなが るのだから」などと言い訳していませんか。原因分析の結果、それが政治力不足であれば政治力を持つ努力、経済的な問題であればその対策、制度上の問題であ れば正しい制度設計に取り組もうとする意識改革が必要です。私達はどんな仕事をしてようが、一納税者、一市民としての顔を持っています。その一市民として の立場から、自分のような仕事に従事する者に何を期待するか。この視点を常に持ち、それに答える努力と社会に通じる言葉を使った情報発信を続けていくこと が重要だと思います。

研究テーマ

上記のような認識の下、私の研究室では、ハード対策とソフト対策の両面から、地震をはじめとするハザードが私たちの社会に与える人的・物的被害、社会機能の低下などの様々な障害を最小化する戦略研究を実施しています。

 

主な研究課題をハード対策からソフト対策に向かって具体的に挙げると次のようになります。

 

1.    シンプルで高精度な構造物破壊解析法の開発

2.    構造物の常時ヘルスモニタリングと災害時の早期被害評価システムの開発

3.   地震断層が地表構造物と埋設管に与える影響の研究

4.   地震時の家具挙動分析と転倒防止対策に関する研究

5.   わが国の既存不適格建物の耐震補強を普及させる環境整備に関する研究

6.   組積造構造物の耐震性向上を実現する技術と社会制度の研究

7.   避難行動モデルの開発と災害時の避難対策の研究

8.   次世代型ハザードマップの開発とリスクコミュニケーションに関する研究

9.   人口減少時代における活断層ゾーン法の研究

10. 防災教育と災害イマジネーションツールの開発

11. 電力需要データを用いた常時から非常時までの地域評価に関する研究

12. 次世代型防災マニュアルと災害情報システムの研究

13. 緊急地震速報の有効な利用方法に関する研究

14. 災害時の病院の防災力向上に関する研究

15. 子供の防犯と地域の安全性を向上する対策の研究

16. 危機管理・防災情報ステーションの開発

 

様々な分野の参入が不可欠であることが分かるでしょう。これらの研究を踏まえ、さらに効果的な防災対策の実現に向けて、重要と考えているくつかの課題や活動を以下に述べておきます。興味のある方は、ぜひご連絡ください。一緒に研究しましょう。

 

・災害の全体像の記録を残す研究

・現象説明型の研究から対策実現型の研究への移行

・ 防災関連制度の実効性、社会的影響、長期的効果などを定量的に評価する研究の推進

・ 東海・東南海・南海地震の連動、首都直下地震後の復旧・復興期の大規模洪水被害などを想定した複合・融合災害に向けた研究推進体制の整備、研究の推進、研究成果の実社会への実装体制の整備

・ 防災関連大学・学協会の連携体制の整備、マスコミ、行政、政治家を巻き込んだ連携活動体制の整備

・ 幼児から成人までの年代別防災教育プログラムの整備

・ 魅力ある防災ビジネスの創造と育成

・ 東京を「第2のバベルの塔」にしない戦略研究

・ 21世紀型「いざ鎌倉システム」の整備(21世紀半ばまでに発生が危惧される首都直下地震、東海・当南海・南海地震などによる巨大地震災害発生時に想定される建設技術者の圧倒的な人材不足を補うシステム)、

など。