東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

松田 康博

Professor

MATSUDA, Yasuhiro

LAB WEBSITE

松田康博研究室
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~ymatsuda/jp/index.html

  • アジア情報社会コース

研究テーマ

  • 東アジアの政治と国際関係
区分:
学内兼担・授業担当教員
所属:
情報学環/東洋文化研究所
  • ITASIA program

Research Theme

  • International Relations in East Asia
Position: 
Affiliated Faculty
Department: 
Institute for Advanced Studies on Asia
略歴

博士(法学)(慶應義塾大学)

1965年 北海道生まれ

1988年 麗澤大学外国語学部 中国語学科 卒業

1990年 東京外国語大学大学院 地域研究研究科 修士課程修了

1992年 防衛庁防衛研究所 助手

1997年 慶應義塾大学大学院 法学研究科 政治学専攻 博士課程単位取得退学、博士(法学)

1999年 防衛庁防衛研究所 主任研究官

2007年 防衛省防衛研究所 主任研究官

2008年 東京大学東洋文化研究所 准教授

主要業績

詳細な業績は東洋文化研究所(松田康博ページ)をご覧ください。


私は多分に「ぬえ的」研究経歴を持っています。もともと私は外国語学部で中国語を専攻した語学マニアでした。ところが、台湾留学がきっかけで中国や台湾の政治や歴史が面白くなり、大学院に進学し、研究者の道に迷い込んでしまいました。

 

学位論文は、台湾における中国国民党の一党独裁体制の成立過程とその実態を明らかにした政治史研究です。ただ、同時に国立の安全保障シンクタンクに 務めていた関係で、東アジアの国際関係研究に着手し、中台関係、中国の政治・外交・安全保障、米中関係、日中関係、米台関係、日台関係、中朝関係、日本の 安全保障政策など手当たり次第にやってきました。

 

このせいで、私の研究の全体像を知っている人は希ですし、自分自身も「やっていることが本業だ」と開き直ってきました。いわば、「守備範囲」=「時 間的・地理的な境界線」を人為的に決めず、テーマによって意味のあるエリア・時間幅と役に立つディシプリンを選んで大胆に研究をするというのが私のやり方 です。ですから歴史研究と現状分析を常に行ったり来たりしています。その際、必ず現地に行き、現地の人から話を聞き、生資料を渉猟した上で、そこで得られ た知識を相対化する作業に着手する、というステップを踏みます。本質的に、歴史と現地感覚を重視する地域研究者なのであろうと自分を位置づけています。

 

現在、これまでやってきた研究を継続・発展させるのと同時に、中台関係研究をまとめ上げたいと考えています。その際、自分がこれまでばらばらに行っ てきた歴史研究と国際関係研究を統合し、同時に2つの異なる志向を持つ学問領域の橋渡しとなるような研究ができないかと考えています。

 

たとえば、歴史学は、当該の地域や時代の特異性(idiosyncrasy)に注目し、物事を過剰に説明する嫌いがあります。他方社会科学は人間社 会全体が対象ですから、どこの誰でも理解できる普遍性(universality)を志向し、本質的に重要だと考えられること以外は説明を捨象する傾向が あります。同じテーマをいくつもの異なるアプローチやディシプリンで掘り返し、何が特異で何が普遍かをとことんまで突き詰めてみるところに、新しい学問の 機軸が見つかるのではないか、と漠然と考えています。

 

担当している授業は、アジア情報社会コース(ITASIA:Information, Technology, and Society in Asia)のIntroduction to Asian Studies(アジア研究入門)とCross-Strait Relations(中台関係)です。このコースは英語のみで行われることになっていますが、もちろん留学生でなくても履修は歓迎です。

 

日本やアジアについて、英語でレクチャーを聴き、議論をする機会は大変貴重です。「東京大学の国際化」とは、どこかで誰かがやっている抽象的なこと ではなく、一人一人の教員や学生が、日常の生活や研究の場で対外発信力を鍛えることを意味します。つまり、苦手意識におさらばし、自分がやっていることを 外国語で議論できる場に飛び込むことからそれは始まるのです。

 

人生は一度だけですし、若い感性は何者にも代え難い宝です。学生のみなさんには、在学中、前のめりに知的関心事を追究し、暴挙ともいえる無理や冒険をしてみることをお勧めします。