東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

真鍋 祐子

Professor

MANABE, Yuko

  • 文化・人間情報学コース

研究テーマ

  • 越境するナショナル・アイデンティティ
区分:
学内兼担・授業担当教員
所属:
東洋文化研究所
  • Cultural and human information studies course

Research Theme

  • Korean Studies
Position: 
Affiliated Faculty
Department: 
Graduate School of Education/Institute for Advanced Studies on Asia
略歴

1963年北九州市生。奈良教育大学を卒業後、紆余曲折の末、10年がかりで筑波大学大学院を修了。博士(社会学)。
秋田大学、国士舘大学をへて、2006年より東文研助教授、2010年より教授。

主要業績

詳細な業績は東洋文化研究所(真鍋祐子ページ)をご覧ください。


「宗教社会学をやりたいなら、まずは瀬戸内晴美の小説を読みなさい」

博士課程進学を控えて文献指導を仰ぎに行った私に、指導教授が最初に語った助言です。学問を云々する前に、まずはどろどろとした人間の業を知れ、ということですね。

「分析能力は分類能力」

「機体はボロでも操縦士の腕がよければ、飛行機は高く飛べる」

くだんの指導教授が、ゼミの時間にポロリと漏らした至言です。

不肖の弟子である私の頭には高尚な学術的談論はほとんど残らなかったのですが、この三つの言葉だけはしっかりと心に刻まれました。

三つめの言葉については少々説明が必要でしょうか。最新の理論を学んで、それをいち早く取り入れることも大事だけれど、どんなに使い古された理論でも、思索の限りを尽くしてこれらを論理的に組み合わせることで、化学反応のように全く新たな自前の分析枠組を構築することができる。こうして実証研究者は、研究対象をより魅力的に表現することができ(華麗な修辞が駆使できれば、なお望ましい)、作品は作者の手を離れたとき、世の中という空へとより高く跳躍できる、という意味です。どこか情報学環の学志にも通ずる面があるように思います。

私自身は、Ian Readerの表現を借りて、カッコよく言えばacademic nomadを目指しています(Ian Reader & Tony Walter ed. Pilgrimage in Popular Culture, 1993)。ディシプリンとしての専攻は社会学ですが、このような指導教授に育てられたおかげで、まさしく「学際」を地でいくコリアニストです。専攻は? と訊かれたら、Korean Studiesと答えるのが一番しっくりくるようです。これまでやってきたこと、今やっていること、これからやりたいことをアトランダムにあげていくと、大略、以下のようになるでしょうか。

① 韓国シャーマニズムにおける「恨」
② 韓国昔話の翻訳と伝承文化の変容に関する研究
③ 中国朝鮮族の民間信仰、キリスト教の歴史と現在
④ 死生観から見た韓国民主化運動のダイナミズム
⑤ 現代韓国における領土ナショナリズムとツーリズム
⑥ 朝鮮民族統一観の形成史
⑦ 80年代民主化運動世代との関連からみた韓流ドラマ、映画制作におけるコンテクストの分析
⑧ 韓国民主化運動における「詩作」「替え歌」→「運動歌謡」の形成過程

一見、いい加減な「何でも屋」みたいですが、実はどのテーマも地下水脈でつながっていて、そこにKorean Studiesの醍醐味があるんだと思っています。