東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

國吉 康夫

Professor

KUNIYOSHI, Yasuo

LAB WEBSITE

國吉康夫研究室
http://www.isi.imi.i.u-tokyo.ac.jp/

  • 先端表現情報学コース

研究テーマ

  • 身体性に基づく認知の創発と発達
区分:
学内兼担・授業担当教員
  • Emerging design and informatics course

Research Theme

  • Cognitive Development through the Body
Position: 
Affiliated Faculty
略歴

1962年生。1991年東京大学情報工学専攻修了、工学博士。同年通産省電子技術総合研究所研究員、96-97年MIT人工知能 研究所客員研究員、2001年東京大学助教授、2005年同教授。

主要業績

詳細な業績は國吉・原田研究室(発表論文)をご覧ください。


実世界の中で臨機応変に行動し、他者を思いやることもできる人間的知能。それがどのように生まれ、どのように振る舞い、どのように発達するか、その原理をロボットで の再構成を通して理解することに興味があります。そのために、ロボティクスと人工知能を足場に、情報理論、非線形力学、複雑系科学、脳科学、心理学、動物 行動学など、分野にとらわれず必要なものは何でも取り入れて、新しい学問領域を切り拓いて行きたいと思っています。興味に共鳴できて、熱意に燃える学生諸 君と一緒に研究するのを楽しみにしています。

主な研究テーマ:

「コツ」と「目の付け所」のヒューマノイド科学:

身体を使いこなした器用な動作には「コツ」があり、他人のスキルを見て的確にコツを会得できる人は「目の付け所」が良い。皆が何となく感じているこのことには理論的根拠があるはずで、しかもそれは人間的知能の核心を突いていると思います。私たちは、行動計測や心理学実験で人間を調べる一方、タスクの力学と情報構造の解析や、ヒューマノイドロボットでの行動実現などを通して、その解明を進めています。

身体性に基づく動的秩序形成としての行動創発:

多数の非線形要素が相互作用すると様々な秩序状態が発生し、移り変わる。それが身体・環境の構造と呼応して、状況ごとに新たな行動や認知のパタンを生み出す。これが、複雑な脳と身体を持つ人間の知能の発生原理の重要な側面であり、プログラムなしに状況適応行動ができるロボットの構成論になるだろうと考え、研究を進めています。

赤ちゃんロボットの認知発達:

常に変動する人間の認知は発達論なしに正しく理解できません。人間の赤ちゃんは、胎内で既に学習を始め、全身で環境に働きかけ、感じながら、自己の身体、行動、物体、他者などの概念を獲得し、感情も発達していきます。これら全てに関わる模倣能力の発達を軸に、脳科学、心理学、計算論などを総合してモデル構築とロボット実験を進めています。

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