東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

准教授

工藤 和俊

Associate Professor

KUDO, Kazutoshi

LAB WEBSITE

工藤和俊研究室
http://www.dexterity-lab.c.u-tokyo.ac.jp/

  • 先端表現情報学コース
  • 文化・人間情報学コース

研究テーマ

  • 「巧みさ」の身体運動科学
区分:
学環所属(基幹・流動職員)
  • Emerging design and informatics course
  • Cultural and human information studies course

Research Theme

Position: 
III Faculty (Core & Mobile)
略歴

大学にて心理学を専攻し、大学院より体育・スポーツ科学に転じる。東京大学大学院総合文化研究科助教、コネチカット大学知覚と行為の生態学研究センター客員研究員を経て2016 年より東京大学情報学環。


一流のアスリートや、ダンサーや、音楽演奏家は、日々の弛まぬ練習によってきわめて高度な技(スキル)を体得します。本研究室では、このような高度熟練パフォーマンスに代表される運動の巧みさ

/ 上手(うま)さについて、以下のような疑問に答えるための研究を推進します。

 

・ 上手なひとはどこが違うの?

さまざまな運動スキルにおいて、熟練者と初心者の比較を行い、両者の違いを明らかにします。これまでの研究では、単なる運動の巧拙だけではなく、その背後にある運動制御方略に着目することにより、初心者が固有の制約条件のもとで運動の(何らかの意味での)最適化を試みていることが明らかになってきました。また一方で、熟練者は複数の高いレベルのスキルを統合して、より高いパフォーマンスを実現していることも明らかになりつつあります。今後は、さまざまなスキルにおける固有の制約条件と運動組織化の関係を明らかにしていく予定です。

 

・ どうすれば運動が上手になるの?

運動スキルは単なる画一的な反復練習だけで獲得できるものではありません。多様な状況において発揮可能なスキルを身につけるためには、多様な練習が不可欠になるからです。制御対象としての身体の特異性と環境の多様性に着目するとき、運動の学習は単なる条件付けではなくなります。すなわち、過ぎ去りし過去の再現ではなく、来るべき未来への準備としての学習という側面が出現するのです。本研究室では、無限定の環境における適応的なふるまいを実現する学習のための条件を明らかにしたいと考えています。

 

・ スランプはどうして起こるの?

上達の道のりは決して平坦ではなく、山あり谷ありの波乱に満ちた道中です。運動スキルを体得しようとするときには、その途上でしばしば躓きや後退、あるいは突然の飛躍を経験します。私はこれらの変化を、通常の上達経路からの逸脱ではなく、上達過程において不可避的に出現する出来事であると考えています。この現象の解明を、実験的研究および力学系理論(数理モデル)を用いた理論的研究によって進めていきます。

 

・ 練習でできていたことが試合でできなくなることがあるのは何故?

あがりやプレッシャーは、パフォーマンスに大きな影響を及ぼします。これらの状況下で生じる生理的 /

心理的変化とパフォーマンスの関係を明らかにし、これらへの対処法を開発することが研究目標となります。

 

これら一連の研究により、ヒトにおける熟練スキルの学習 / 制御原理を解明するととともに、研究成果を運動指導やコーチングに役立てることが本研究室の目標です。