東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

准教授

KARLIN, Jason G.

Associate Professor

KARLIN, Jason G.

LAB WEBSITE

KARLIN, JASON G.研究室
http://individuals.iii.u-tokyo.ac.jp/~karlin/

  • アジア情報社会コース

研究テーマ

  • ジェンダー論、メディア表象学
  • メディアにおけるジェンダー表象分析
区分:
学環所属(基幹・流動職員)
所属:
情報学環
  • ITASIA program

Research Theme

  • Gender and Media Studies
  • Gender and Cultural Studies
Position: 
III Faculty (Core & Mobile)
Department: 
Interfaculty Initiative in Information Studies
略歴

Ph.D.(米国・イリノイ大学)

2002年 米国・イリノイ大学にて博士号(歴史学)取得

ミシガン州立大学講師、フロリダ大学助教授、東京大学社会科学研究所准教授(兼Social Science Japan Journalのマネージングエディター)を経て、

2008年 東京大学大学院 情報学環 准教授

主要業績

詳細な業績はJason G. Karlin(Publications)をご覧ください。


ジェンダーの視点から社会、文化を読み解く意義

言語学者のソシュールは、「言葉(表現)と意味(内容)の関係は恣意的である」とし、そのような言語のシステムにおいては、言葉の意味は、我々が認 知する世界において様々な「差異」を認識し(例えば、「雪」という現象を他の現象と区別して認識する)、それを恣意的にある音声(「ゆき」)によって表象 しているとしました。つまりは、この「差異」の認識そのものが、意味を形成していると言えます。

 

また、フランスの精神分析家ジャック・ラカンに寄れば、人間は言葉を習得する以前の段階からすでに、「男性」か「女性」か、というジェンダーの分類 を、生物学的な性の差異ではなく、あくまで文化的でシンボリックな差異として認識しはじめ、自分がこの二つのうちどちらに属するのかを意識することが、自 己同一性、主体性を形成していく上での基盤となっています。つまり、自己や主体とは、どちらの性に属するのかという意識なしには根本的に成り立たないもの なのです。上記のソシュールの言語論において、人が「差異」を認識することによって「意味」が形成されるように、人間の発達段階において最も根本的な「差 異」である「ジェンダーの差異(性差)」を認識することによって、我々は自分のまわりを取り巻く世界を意味付けし、分類し、理解しているのだと言えます。 とすれば、「ジェンダー論」は、社会や文化を分析する上でかかすことのできない重要な手段となるわけです。

 

ジェンダー論を用いた研究テーマの例

・広告とメディア表象

・ボディ・イメージ(社会的概念としての性差と生物学的な性差との関係性)

・ジェンダー演出(ジェンダーを「文化的に規定された構築物である」と主張したJudith Butlerの概念)

・精神分析と対象関係理論(Freud, Lacan, Klein, and Winnicot)

・ジェンダー形成と社会化

・男の視線(male gaze)と物語映画の中の女性の表象

・メロドラマと女性視聴者

・ファンカルチャーと「ヤオイ」

・イメージおよび社会現象としての映画スター

・キャンプ(ゲイ的感覚やテイスト)

・ドラァグ・クイーン/キング(ゲイ文化の一環として生まれた異性装)

・ホラー映画とポルノ映画におけるジェンダー表象

・サイボーグ・フェミニズム(ジェンダーの視点で捉える科学技術の進化)

 

大学院生の皆さんへ

私は、大学院レベルの研究指導においては、批評力・鑑識眼のある考え方のできるスキルの習得と発達に主眼を置いています。学生の皆さんには、常々 「知識」というものを認識能力と自己理解を深めるための道具として活用できる積極的な学習者になるよう奨励しています。そのために、私の授業では、カル チュラル・スタディーズの分野における多様な解釈の存在、研究方法論の進化、それらの国境を超えた発展などを強調することにより、メディアとジェンダー研 究に対する創造的な視点を提供していければと思っています。