東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

准教授

原田 至郎

Associate Professor

HARADA, Shiro

LAB WEBSITE

Harada Laboratory
http://harada-lab.net/

  • アジア情報社会コース
  • 文化・人間情報学コース
  • 社会情報学コース

研究テーマ

  • コンピュータと国際政治
区分:
学環所属(基幹・流動職員)
所属:
情報学環
  • ITASIA program
  • Cultural and human information studies course
  • Socio-information and communication studies course

Research Theme

  • Computing & International Politics
Position: 
III Faculty (Core & Mobile)
Department: 
Interfaculty Initiative in Information Studies
略歴

東京大学理科1類入学後、教養学部教養学科および大学院総合文化研究科で国際関係論を学ぶ。1996年4月東京大学東洋文化研究所助手、2000年10月情報学環助教授、2007年4月准教授。

学際情報学府では社情・文人両コース学生の指導を担当するとともに、英語による教育プログラムであるアジア情報社会コース(ITASIA)の運営、授業、学生指導をも担当している。

主要業績

詳細な業績は原田至郎研究室(Publications)をご覧ください。


国際政治

私の本来の専門は国際関係論です。もともと戦争その他の武力紛争に関心を持っており、初期には15世紀末以来の近代世界システムにおける国家間戦争、後には第二次世界大戦後における国家間戦争・内戦を対象に、それらの発生や展開、終結のパターン・要因 について、主に統計的手法による分析を行いました。

AsiaBarometerというアジア各地での世論調査プロジェクトに参加してからは比較政治学的関心も高まり、最近はカンボジアにおける政治や選挙を中心に研究を行っています。この分野に関わる教育活動としては、学習院大学や、本学の交換留学生プログラムにおいて、「国際政治」の講義を行ってきました。

 

コンピュータ

一方、コンピュータには中学生の頃から興味があり、独学を続けて研究にも活用していました。本学の東洋文化研究所助手時代には、所内コンピュータ・ネットワークの構築を一から手がけ、各種サーバの構築・管理 やデータベースのための各種プログラム開発を行いま した。 1999年からは、クメール文字の情報処理のためのKhmer Philology Project(KPP)に参加し、研究開発を行いました。カンボジアには、国字であるクメール文字をコンピュータ上で扱うための国家標準が存在せず、不完全な方法の乱立が非互換性と使いづらさをもたらしている状況がありました。

私は、カンボジア出身者を含むメンバー、現地の政府機関や王立アカデミー、NGO とも緊密に協力しながら、国家標準たりうる文字コード規格案に基づいた、簡素で覚えやすい入力方法で正しいクメール文字を表示できる仕組みを考案し、それを実装したソフトウェアを開発しました。その後も、クメール文字や他の文字について、文字コードに関する研究を行うとともに、様々な局面における情報システムの構築・ 活用・管理について、情報セキュリティスペシャリスト・ ネットワークスペシャリスト(国家資格)として実践を続けています。

コンピュータに関わる教育活動としては、2006年度から本学教養学部前期課程で「情報」の講義を行っているほか、2010年度からは学際情報学府の英語プログラムにおいて必修科目 ITASIA401: Introduction to Information Technology を担当しています。

コンピュータと国際政治

前述のKPPの活動は、大きな問題にぶつかりました。実は、カンボジアの参加がないまま、内容に問題のあるクメール文字コードの「国際標準」が既に制定されてしまっていたのです。カンボジア政府は2001年5月から 翌年にかけて、抗議と是正要求を行い、私もこの過程でカンボジアの取り組みを支援しましたが、一部機関からの「詫び状」や不足文字の追加という一定の成果は得られたものの、クメール文字の性質を無視した非効率的符 号の是正という中核的要求は、「標準の安定性」の前に、ついに認められませんでした。

さらに、ネイティヴ・ユー ザの参加が不十分なまま、不適切な文字コードが標準化 された例は他にもいろいろあること、また技術に関わる標準やルール作りの場における参加と正当性の問題は 広く見られることが判りました。これをきっかけに、現代情報社会を支える技術に関わる政治的側面への関心が高まり、いくつかの研究と実践を行いました。 2013年にはカンボジア国民議会選挙における野党 躍進とSNSの影響、さらに様々な問題を現地で目の当 たりにしました。以来、時には一研究者、時にはJICA 調査団員として、カンボジアにおける選挙の改善のために、情報技術の適切な活用も含めた様々な提言を、カンボジア国家選挙管理委員会等に対して行う実践を続けています。