東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III/GSII

研究Research

April 12, 2019

平成30年度大学院学際情報学府 学位記授与式GSII Graduation Ceremony 2018

3月25日、福武ホールラーニングシアターにて学際情報学府の学位記授与式が行われました。修了者修士課程80名、博士課程5名に田中学府長より学位記が授与され、教員・家族・友人達に温かく見守られながら、修了生たちはひとりひとり学位記を受け取り、田中学府長と握手を交わしました。また、学際情報学府の総代として全学の学位記授与式に出席した木村直紀さん(修士)と澁谷遊野さん(博士)の紹介も行われました。その後、田中学府長と中尾専攻長より祝辞が送られました。

田中学府長から、まず、学際情報学府の修了生について留学生、女性の比率が全学平均からみても高いことが報告されました。また、黒田玲子東京大学名誉教授や世界初の実用的電話の発明で知られるアレクサンダー・グラハム・ベルの言葉(下記参照)を紹介し「今後、修了生が取り組む大きな課題解決に向けて開くべき扉は、予め決まっているものではなく、自らの挑戦で開いていくべきものであり、学際情報学府で高い能力を培った修了生であれば、課題解決に向けて、必ず扉をあけることは可能であると確信している」との力強いエールが贈られました。

“When one door closed another one opens; but we so often look so long and so regretfully upon the closed door that we do not see the ones which open for us.”
(一つのドアが閉じるとき、別のドアが開いているものだ。しかし私達はしばしば、閉じられたドアの方ばかり長いこと残念そうに眺めていて、開いている別のドアを見ようとしない。出典(訳):岐阜大学応用生物科学部生物化学研究室)Alexander Graham Bell (1847-1922)

続く中尾専攻長からは、近年大きな成功をした情報産業企業関係者へのインタビューや同企業の社風・社訓から得た成功の秘訣を紹介し「学際情報学府で学んだ知識や研究で得た知見を活かして、何も存在しないところから新たな価値を創造して社会を生き抜いていく強い気持ちを持ってほしい」との激励を兼ねたメッセージが贈られました。

その後、優秀修士論文発表会が開かれ、学府長及び専攻長より各賞の表彰と各コース代表の受賞者からプレゼンテーションが行われました。本年度の優秀修士論文の受賞者は以下のとおりです。

学府長賞
木村 直紀「深層学習を用いた周辺視野映像生成による映像視聴体験向上に関する研究 / Augmentation of Visual Experiences with Image Generation for a Peripheral Vision Using Deep Neural Network」(総合分析情報学コース)

専攻長賞
・社会情報学コース
青木 修「公共放送NHKのグローバリズムへの対応-TV国際放送の先駆GNN構想のめざしたもの」
原 翔子「シカゴ美術研究所印象主義絵画展のキュレーション-機械学習による分類と社会科学的視座からの考察」

・文化・人間情報学コース
Ahn Eun Byul「地域鉄道のアトラクション・メディア化-地方と鉄道の衰退局面で現れる想像力」
加藤 大樹「Twitterにおける炎上の相互作用プロセス-インターネット上の社会的反作用の形成」

・先端表現情報学コース
谷道 鼓太朗「Additive Manufacturingにより実現される螺旋面構造に関する研究」
Chen Yan「予測医療に向けたバーチャル手術のためのインターフェースの開発」

・総合分析情報学コース
永山 大輔「被災時利用を想定した電子母子手帳の開発 / Electric Maternal, Child and Doctor Handbook for Disaster Preparedness」
Yang Bei Bei「Traffic Analysis for Anomaly Detection using Hierarchical Heavy Hitter and Convolutional Neural Networks / 階層的フロー集約アルゴリズムと畳み込みニューラルネットワークを用いた異常トラフィック分析手法」

・アジア情報学コース(ITASIA program)
GUNDOGDU Abdulkadir「The Ideal Japanese Beauty: Performing Gender and Nationality on the Global Stage」
SUGENG Rio Jordanto「Instagram Influencer Marketing: Effects of Promotional Verbal Branding on Advertisement Recognition and Consumer Attitudes」

当日は天候に恵まれ、修了生たちは晴れ晴れとした表情で、旅立ちの日を満喫した様子でした。

記事:横坂満(学務チーム)
写真:横坂満、松下冬樹(元総務係)