教授
大島 まり
Professor
OSHIMA, Mari
LAB WEBSITE
- 文化・人間情報学コース
- 先端表現情報学コース
研究テーマ
- コンピューテーショナル・バイオメカニクス、科学技術コミュニケーション
- 区分:
- 学環所属(基幹・流動教員)
- Cultural and human information studies course
- Emerging design and informatics course
Research Theme
- Computational Bio-Informatics
- Position:
- III Faculty (Core & Mobile)
- 略歴
博士(工学)(東京大学)
1992年 東京大学大学院 工学系研究科 原子力専攻 博士課程修了、博士(工学)
1992年 東京大学生産技術研究所 助手
1995年 文部省在外研究員(米国・スタンフォード大学)
1998年 東京大学生産技術研究所 講師
1999年 筑波大学・東京大学生産技術研究所 併任助教授
2000年 東京大学生産技術研究所 助教授
2005年 東京大学生産技術研究所 教授
2006年 東京大学大学院 情報学環 教授
- 主要業績
詳細な業績は大島まり研究室(Reports)をご覧ください。
1. 研究の概要
工学と医学・バイオの融合を目指して、数値流体シミュレーションと流れのビジュアルセンシングをキーワードに、以下の3つのテーマに取り組んでいます。
1) 血流シミュレーションによる脳血管障害の血行力学的解析
2) 脳血管内流れのin vitro計測
3) マイクロチップ内流れのビジュアルセンシング
生体内の現象を実験で観察・測定するには、技術的、あるいは倫理的に限界があります。そこで最近では、工学分野で発展してきた数値シミュレーション を医学分野へ応用する試みが盛んに行われています。数値シミュレーションは、現象をすべてコンピュータ上で再現するため、生体を対象にした場合はとくに有 効な手法です。
われわれは数値シミュレーションを血流解析に適用し、脳血管障害に関する流体力学的な検討を行っています。図1は実際の患者さんの医用画像より中大脳動脈の分岐にできた瘤の形状を抽出してモデル化したものに対して数値シミュレーションした結果を示しています。
それと同時に2つめのテーマとして、数値シミュレーション手法の妥当性を評価するため、数値シミュレーションで作製した形状と同じデータを用いた脳血管形状を転写したレプリカモデルを使った血流のinvitro計測実験も行っています。
3つめのテーマは、ビジュアルセンシング技術を応用したマイクロ生化学チップの流れの可視化・計測です。近年目覚しい発展を遂げてきたMEMS技術 の医学・バイオ分野への応用も盛んです。とくに、生物学や生化学分野においては、マイクロチップやバイオチップと呼ばれる微小なチップデバイスが次世代の 実験・分析装置として期待されています。そこで、ビジュアルセンシングを用いたバイオチップ内での流動現象の解明を試みています。図2は、マイクロチップ 内の微小液滴内部の循環流を本研究室で開発した共焦点マイクロPIVシステムにより、可視化計測した結果を示しています。
2. 研究を通しての科学技術教育
最近の研究は専門および精鋭化しているため、その研究の専門家以外の人が内容を理解するのは非常に困難になってきています。また、従前に比べて、研 究者が研究の目的や主旨および研究成果などを社会に理解してもらうため自らの説明責任を果たすことが、ますます問われるようになってきています。そのた め、研究者が、一般の方に対してわかりやすく説明する必要性を認識し、研究に対する科学技術理解増進を促すようなアウトリーチ活動などを展開しています。 そこで、われわれは、「研究を通しての科学技術教育」として研究を題材に、一般の方が科学技術に興味を持ってもらえるような出張授業などのアウトリーチ活 動を企画、実践するとともに、科学技術コミュニケーションに取組んでいます。
3.大学院生のみなさまへ
様々なことに積極的に取組んで、新しい知識を吸収していくとともに、それらの知識を掘り下げて自分のものにしていくことは大学院時代に成しえる大事なプロセスです。色々なことにチャレンジしたいと思う意欲的な人を求めています。一緒に有意義な研究をしましょう!