東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

筧 康明

Professor

KAKEHI, Yasuaki

LAB WEBSITE

筧康明研究室
http://xlab.iii.u-tokyo.ac.jp

  • 文化・人間情報学コース
  • 先端表現情報学コース
  • アジア情報社会コース

研究テーマ

  • マテリアル・エクスペリエンス・デザイン ―物理世界の表現力拡張と体験のデザイン―
区分:
学環所属(基幹・流動教員)
  • Cultural and human information studies course
  • Emerging design and informatics course
  • ITASIA program

Research Theme

  • Material-Driven Experience Design
Position: 
III Faculty (Core & Mobile)
略歴

2007年東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。科学技術振興機構さきがけ研究員、慶應義塾大学環境情報学部専任講師、同学部准教授を経て、2018年4月より東京大学大学院情報学環准教授。2022年4月より教授。これまでに株式会社プラプラックス取締役、MIT Media Lab Visiting Associate Professor、大阪芸術大学アートサイエンス学科客員教授などを務め、2016および2017年にはWorld Economic Forum Young Scientistsにも選出。主な受賞にACM CHI2017 Best Paper Award、ACM UIST2017 Honorable Mention、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞、2012年度グッドデザインBest100、2005年度東京大学総長賞など。

主要業績

これまでの主要な業績については、ウェブサイト(http://xlab.iii.u-tokyo.ac.jp/publication/)にてご確認ください。

Biography

Yasuaki Kakehi is a Professor at the Graduate School of Interfaculty Initiative in Information Studies, The University of Tokyo. He received PhD in Interdisciplinary Information Studies from The University of Tokyo in 2007. From 2008 to 2018, He had served as Lecturer, and Associate Professor consecutively at the Faculty of Environment and Information Studies, Keio University. He also worked as a Visiting Associate Professor at MIT Media Lab in 2015-2016. His artworks and research have been exhibited at ACM SIGGRAPH, Ars Electronica Festival, YCAM and ICC, and he has been taking on challenges to cross over the boundaries between engineering, art and design.


私は、学際情報学府で修士・博士学生時代を過ごし、2007年に博士(学際情報学)を取得しました。卒業後は慶應義塾大学SFCにて研究・制作・教育活動を展開してきましたが、縁あって2018年度より情報学環にてインタラクティブメディアとメディアアートの研究室を新たに立ち上げます。

Activating the Physical(物理世界の活性化と表現力拡張)

筧は、主に HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)や拡張現実感の領域でディスプレイやインタフェースに関する研究開発を行い、またメディアアートの領域で技術を駆使した作品表現や社会実装に取り組んできました。本研究室では、我々の身体やそれを取り巻く物理環境のマテリアルとコンピュテーションを掛け合わせ、モニタの利用を前提としない新たな情報表現やフィジカル・インタラクション、さらには体験の創出を目指します。

インタラクティブマターとファブリケーション

実体を持つ物質がその形や色、大きさ、触感、香りを自在に変え、もっと自由に動き回ることができたら。 ディスプレイの手段やものづくりのプロセス、情報とのインタラクション等を大きく変える表現力を手にすることになるでしょう。研究室では、プロジェクションマッピングやHMDなどの光学的重畳に留まらず、マテリアルそのものが動的にその状態を変え、より直接的に周囲とのインタラクションするような「インタラクティブマター」の実現や環境の構築を目指しています。このために、センサ、ディスプレイ、アクチュエータ技術に加えて、デジタルファブリケーション、マテリアルサイエンス、バイオテクノロジーなど知見を積極的に取り入れ、ミクロスケールから空間スケールまで、人工物から自然物まで、未来を見据えた実験的なインタフェース開発を行います。

COLORISE (Juri Fujii, Takuya Matsunobu and Yasuaki Kakehi, 2018).

 

人間の「できる」を拡げるエクスペリエンス・デザイン

新しいマテリアルやインタラクションの可能性を社会に還元するには、材料/技術開発にとどまらず、それがもたらす(ユーザ・)エクスペリエンスまで見据えたデザインを展開することが肝要です。本研究室では、マテリアルとのインタラクションを通して視聴覚に加え触感や香り、味といった感覚や生体情報とつながる体験拡張の構築を行うと共に、ものづくりや医療、ワークプレース、アート・エンタテインメント等の現場や人材と連携・協働しながら、人間の(潜在)能力や行動・コミュニケーションをひきだすメディアデザインと体験の(場の)創出に取り組みます。

(author)rise, (Harshit Agrawal, Junichi Yamaoka and Yasuaki Kakehi, 2017).

 

メディアアートとしての展開: 先端技術と詩的表現・批評的思考

研究室では、新規技術のデモンストレーションに留まらず、技術を取り巻く詩的な、あるいは批評性を含む問いを持った表現の創出に積極的に取り組みます。研究成果は、工学分野での発信と共に、メディアアートやデザインの分野での作品展開を行っていきます。メディアアーティストとしての活動や、Ars ElectronicaやICC (NTTインターコミュニケーション・センター) 、YCAM(山口情報芸術センター)等におけるこれまで展覧会を実施してきた経験等を活かして作品制作を推進します。

「布のデミウルゴス −人類にとって布とは何か」展(YCAM、株式会社細尾との共同プロジェクト, 2017-18).

 

研究室の立ち上げにあたり

研究室は現在特任助教、特任研究員などのスタッフがおり、国際連携も取りながら運営していきます。分野の垣根の無い学府の強みを活かして多様なバックグラウンド(誰にも負けない何か)を持ったみなさんと出会い、一緒に活動できることを期待しています。文系・理系・美術系・その他を問わずアクセスしてください。研究の支援やコラボレーションも随時募集しています。