東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

准教授

李 美淑

Associate Professor

LEE, Misook

  • 社会情報学コース

研究テーマ

  • グローバル・メディア研究
区分:
学環所属(基幹・流動教員)
  • Socio-information and communication studies course

Research Theme

  • Global Media Studies
Position: 
III Faculty (Core & Mobile)
略歴

2015年、東京大学大学院情報学環・学際情報学府にて博士学位(社会情報学)取得。米国ハーバード・イェンチン研究所訪問研究員(2012-2013)、東京大学大学院博士課程教育リーディングプログラム「多文化共生・統合人間学プログラム」特任助教(2014-2017)、立教大学「グローバル・リベラルアーツ・プログラム」運営センター・助教(2018-2021)を経て、現職。

主要業績

『「日韓連帯運動」の時代―1970~80年代のトランスナショナルな公共圏とメディア』(東京大学出版会、2018)など。

主要業績はこちら:
https://researchmap.jp/misooklee?lang=ja

学環の研究事業

Beyond AI研究推進機構基礎研究「AI時代における真のジェンダー平等社会の実現とマイノリティの権利保障のための規範・倫理・実践研究」通称:B’AIグローバル・フォーラム、「メディア表現とダイバーシティを抜本的に検討する会」(MeDi)

関連リンク

http://baiforum.jp

Biography

Misook Lee completed her Ph.D. in Socio-information and Communication studies at the Graduate School of Interdisciplinary Information Studies, the University of Tokyo. After conducting her research at the Harvard-Yenching Institute as a Visiting Fellow (2012~2013), she has worked as a Research Associate of the Integrated Human Sciences Program for Cultural Diversity at the University of Tokyo (2014~2017), and as an Assistant Professor at the Center for Global Liberal Arts Program, Rikkyo University (2018-2021).


グローバルかつデジタル・メディア時代におけるジャーナリズム研究およびメディア・コミュニケーション研究をメディア言説分析、内容分析、エスノグラフィー、歴史社会学的アプローチをとりながら行っています。これまでマスメディア・ジャーナリズムにおいて他者との「境界」がどのように(再)構築、強化されるのか、また、一方で人々はどのようなメディア実践を駆使しながら、「境界」を越え、他者との「連帯」をもとめてきたのか、を分析してきました。グローバルかつデジタル時代において、多様で分散した公共圏が一方で「分断」と語られつつも、新たな政治参加や議題を作り上げてきています。他者の「他者化」と他者との「連帯」をめぐる現象を分析しながら、マスメディア・ジャーナリズム/公共圏のあり方、そして、その変化についても注目していきます。

以下、主な研究テーマです。

1)ジェンダー、フェミニズム、ジャーナリズム

フェミニズムの大衆化や#MeTooとともに、ジャーナリズムの内容、組織文化、組織構造に対しても様々な変化が求められてきました。日韓の両社会においてどのような変化が行われているのか、メディア言説分析、歴史社会学および職業社会学的視点も交えながら、考察していきます。

2)境界を越える連帯、メディア実践、トランスナショナルな公共圏

国家、民族、言語、階層、ジェンダーなど、様々な「境界」を越えて、人々はどのように「連帯」に向けた言説と行動を生み出してきたのか、人々のメディア実践を中心に分析していきます。デジタル時代以前にも活動家たちはトランスナショナルなネットワークを形成し、冷戦の矛盾に対抗してきており、デジタル時代においては様々なコミュニケーションツールを複数に用いながら共通の問題意識や行動を生み出してきています。こうしたメディア実践の可能性と困難や課題などを考察していきます。

3)国際比較ジャーナリズム研究

グローバルな視点で、ジャーナリズムの現状や変化をとらえます。これまでジャーナリズムについて、様々なあり方や役割が規範論的に議論されてきましたが、果たして実態はどうでしょうか。
「Journalistic Role Performance」(JRP)など国際比較研究プロジェクトに関わりながら、国際比較ジャーナリズム研究を行っています。とりわけ、グローバルなイシューに対して、国民国家の枠組みのなかで成長してきたジャーナリズムが、どのように作動しているのか、また一方、国境を越えた共通言説や普遍的価値を育む可能性はいかにして可能かなど探っていきます。