東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

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February 27, 2019

ミュンヘン工科大学と東京大学の戦略的パートナーシップ・ジョイントワークショップ「自動運転とAI倫理」(2/8)が開催されました

 去る2月8日、本郷キャンパス工学部2号館92B教室で、大学院情報学環、大学院情報理工学研究科共催のもと、ミュンヘン工科大学と東京大学の戦略的パートナーシップ・ジョイントワークショップ「自動運転とAI倫理」が約100名の参加者を集めて執り行われた。
 ワークショップは、田中秀幸学環長のオープニングに続いて、協賛頂いたバイエルン州政府東京代表部のクリスチャン・ゲルティンガー代表、ミュンヘンからクラウス・マインツァ―教授のメッセージに続いて、須藤修教授が指導する「人間中心のAI7原則」が紹介され、その要請に従うと問題となり得る主要な論点が学習院大学の小川文子講師から「因果的AIの必要性」として整理されたのち、ミュンヘン工科大学クリスチャン・リュトゲ教授の基調講演「人工知能と自動運転の倫理」が行われた。リュトゲ教授はフェイスブック社がスポンサーとなって設立されたAI倫理研究所長に就任した直後で、一日だけの為に来日したが、極めて重要な論点を網羅的に取り上げ、全く新しいこの分野の国際的な推進を呼びかけた。
 休憩を挟んでのラウンドテーブルでは、明治大学自動運転社会総合研究所の萩原一郎教授による因果的な推論を可能とするホログラフィック・ニューラルネットワークの先駆的実装例の紹介から、情報理工学研究科・中村仁彦教授によるリーサル・ウエポン自動システムへの警鐘に至るまで、具体的な技術に立脚しての突き詰めた討論が交わされ、東京大学、ミュンヘン工大双方のOBである持田侑宏・バイエルン州政府東京代表部顧問による、国を越え、産官学を巻き込んでプロジェクトの発展的な継続を宣言して当日の幕を閉じた。なお後続する日独協議は、2019年6月3-4日にかけて、ミュンヘン工科大学で開催の予定で、現在準備が進められている。なおこのワークショップにはドイツ科学技術イノヴェーションフォーラム東京(DWIH)ならびに日本時空間設計学会から貴重なサポートを頂いた。ここに記して、心からお礼を申し上げます。(情報学環 伊東)

左:田中秀幸学環長によるオープニング、右:当日の模様