東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

山本 博文

Professor

YAMAMOTO, Hirofumi

  • 文化・人間情報学コース

研究テーマ

  • 日本近世史、歴史社会学
区分:
学内兼担・授業担当教員
所属:
情報学環/史料編纂所
  • Cultural and human information studies course

Research Theme

  • Historical Sociology
Position: 
Affiliated Faculty
Department: 
Institute of Industrial Science/Historiographical Institute
略歴

文学博士(東京大学)

1980年 東京大学文学部 国史学科 卒業

1982年 東京大学大学院 人文科学研究科 修士課程修了

1982年 東京大学史料編纂所 助手

1994年 東京大学史料編纂所 助教授

2001年 東京大学史料編纂所 教授

2010年 東京大学大学院 情報学環 教授


研究分野

私の専門は歴史学、それも日本近世史という狭い分野です。歴史学は長い伝統がある学問だけに、方法論は確立しています。史料の分析や史実の実証のあ り方は非常に厳密で、想像力で史料解釈を補わないことが必要です。そのため、自由な想像力を働かせる歴史小説などにくらべて影響力が小さいという問題もあ ります。しかし、実証と想像力は相反するものではなく、あくまで厳密な史料読解によることで、その上に打ち立てられる歴史像の確からしさが担保されるわけ です。歴史学者にとって、史料に基づかない歴史像は、それが一般の読者にいかに刺激的であっても何の価値もありません。史料の制約の中で築き上げられた歴 史像の方がはるかに魅力的です。歴史学者がどのような営みをしているかについては、『日本史の一級史料』という本に書きましたので、読んでみてください。

前の職場である東京大学史料編纂所では、大名家文書である細川家史料、武家伝奏の日記である広橋兼胤公武御用日記などの編纂にあたりました。こうし た環境の中で、私は、史料を正確に読解した上でその時代の全体像を把握することに務めてきました。史料を読んでいれば、新しい事実はいくらでもでてきま す。しかし、事実の紹介にとどまらず、その事実の背後にある日本社会を究明することを研究の目標としてきました。個人研究では、政治史、古文書学、外交史 などのほか、武士の社会史、大名の出世、江戸時代の官僚組織、大奥女中の研究なども行っています。それぞれ、『武士と世間』『お殿様たちの出世』『江戸の 組織人』『大奥学事始め』などの本になっていますので、ご参照ください。

情報学環での研究方針

今回、情報学環に移るにあたって、以下のような試みをしたいと思っています。

 

・ 現代社会の基礎を築いたと思われる江戸時代の史料から、社会学で行われている研究の歴史的裏付け、あるいは批判を行うこと。

・ 社会学の理論を学ぶことによって、歴史学で形作ってきた歴史像を見直すこと。

 

以上の二点は、まったく逆のことですが、双方向からのアプローチによって、歴史学と社会学という二種類の学問をそれぞれ鍛えることができ、さらに両学問を融合させた新しい学問ができるのではないか、という期待があります。

 

したがって、受け入れる大学院生は、歴史学でも社会学でもかまいません。それぞれが自己の確固たる研究基盤を持ち、それを持ち寄って議論することによってお互いを高めるような講義やゼミになればよいと考えています。