東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

准教授

鶴岡 弘

Associate Professor

TSURUOKA, Hiroshi

LAB WEBSITE

東京大学地震研究所地震予知情報センター
http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/tsuru/

  • 先端表現情報学コース

研究テーマ

  • 地震情報を地震防災に役立てる
区分:
学内兼担・授業担当教員
  • Emerging design and informatics course

Research Theme

Position: 
Affiliated Faculty
略歴

1966年生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程修了、博士(理学)。
大学共同利用機関学術情報センター助手、東京大学地震研究所地震火山情報センター助教を経て、2011年より現職。


我々の研究室では、地震情報の生成から利活用までを網羅した研究を進めており、地震情報を地震防災に役立てる研究を進めています。

■ 地震情報を地震防災に役立てる!とは

都市の地震防災において迅速な初動体制の立ち上げが重要であり、このためには都 市に被害をもたらす地震の発生場所・規模・メカニズムをいち早く決定して情報発信することが必要である。日本の地震観測体制は世界でもトップクラスであ り、高感度・強震・広帯域地震観測点が国内にくまなく高密度で整備され、観測されたデータは最新のネットワーク技術により気象庁・防災科学研究所・国の研 究機関・国立大学法人等に送られている。これらの地震計からリアルタイムで配信される地震波形データをリアルタイムに解析することにより地震の発生場所・ 規模を即時に決定するシステムである緊急地震速報が平成19年10月より気象庁において運用されている。この情報を有効に活用するためには、情報の内容と タイミングと精度が問題になる。ポイントとなる点は、早い段階の情報は精度が悪くあとになるほど精度が良くなる。つまり、不確定さを前提とした地震情報の 利用がユーザに求められているのである。ただし、緊急地震速報と他の地震情報(揺れの情報など)を適切に組み合わせユーザに提 供するシステムを開発・整備することによってこの不確定さを軽減できると考えられる。そのために、最新の情報システムを最大限に活用した様々な地震情報シ ステムの開発、またリアルタイムで配信される地震波形データを解析することによって、即時に地震の位置・規模・メカニズムを決定するシステム(GRiD MT)の開発なども行っている。以下は現在取り組んでいる情報システム・地震解析システムの一部の紹介である。

■ 緊急地震速報利活用システムおよびリアルタイム地動モニター

気象庁に予報業務許可申請(地震動)を行った、主に Webベースのソフトウェアを開発し、緊急地震速報の仕組みや技術的限界を理解するためのツールとして、また、東京大学内での伝達と利活用のために必要な 事柄を検討するための配信実験を続けている。併せて防災科学研究所が運用している高感度地震観測網(Hi-net)の地震波形データに対する1秒RMS値を可視化したやはりWebベースのシステムも開発している。

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■ 長周期波動場のモニタリングによるリアルタイム地震解析システム

震源速報等の地震情報を必要とせずに、地震の発生・メカニズム・規模をリアルタイムに決定する画期的な新しい地震解析システムGRiD MTを開発して、その解析結果をWebやメールでリアルタイムに情報発信している。現在までに得られた解析結果については、http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/GRiD_MT/にて公開している。巨大地震や津波ポテンシャルを評価可能なW-phase(超長周期)を用いた主にグローバルを対象としたシステムの開発も行っている。

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