東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

坂村 健

Professor

SAKAMURA, Ken

LAB WEBSITE

坂村健研究室
http://www.sakamura-lab.org/

  • 総合分析情報学コース

研究テーマ

  • 電脳建築学
  • Ubiquitous Computing
区分:
学環所属(基幹・流動職員)
所属:
情報学環
  • Applied computer science course

Research Theme

  • Analytical Information Science, Computer Architecture
  • Ubiquitous Computing
Position: 
III Faculty (Core & Mobile)
Department: 
Interfaculty Initiative in Information Studies
略歴

工学博士(慶應義塾大学)

1951年 東京都生まれ

1979年 慶応義塾大学大学院 工学研究科 博士課程修了、工学博士

1987年 東京大学理学部 情報科学科 助教授

1996年 東京大学総合研究博物館 教授

2000年 東京大学大学院 情報学環 教授

Computer architect(電脳建築家)。代表作に“TRON(The Real-time Operating system Nucleus)”“TRON電脳住宅”など。工学博士。IEEEフェロー、ゴールデンコアメンバー。2003年 紫綬褒章、2006年 日本学士院賞。日本学術会議第三部会員。著書に『不完全な時代』(角川書店)、『ユビキタスでつくる情報社会基盤』(東大出版会)、『ユビキタスとは何か』(岩波書店)など。

主要業績

詳細な業績は坂村・越塚研究室(研究業績)をご覧ください。

学環の研究事業

私の研究室は電脳建築学=コンピュータ・アーキテクチャの研究室です。研究室でやっていることを一言で説明するのは大変難しいのですが、しいて言えばゼロから新しいコンピュータ(システム)を作り上げるということでしょうか。たとえで言うなら建築学に非常に似ています。いろいろな要求を満たすように建築を白紙からスケッチを始めて、多様な技術を組み合わせて作り上げていくというのはまったく建築と同じです。ということで本当の建築のデザインもやっています!

いい建物を作るためには、何が建築に求められているか——コンピュータでいうならば、これからの社会でどのようなコンピュータの応用が望まれているかということを適切に把握する必要があります。また構造計算的に不可能な建築をデザインしてもしょうがないように、実現するためには電子回路やオペレーティングといったコンピュータのさまざまな要素技術についても理解している必要があります。

こういうような考えでコンピュータ・アーキテクチャの研究室でどういうことをやっているかというと、未来のコンピュータ・イメージを描き、そこから新たな要求を見定めて、そのために必要な要素技術の研究開発を行っているのです。これは私の20年来のテーマなのですが「どこでもコンピュータ」——いまでいう「ユビキタス・コンピューティング」や「IoT(Intenet of the Things)」といわれるコンセプト。まちがいなく未来のコンピュータの一つのイメージです。

長年にわたる研究の具体的な成果として携帯電話や車のエンジン制御などにも使われ、最も使われているリアルタイムOSとして世界的に定評のあるTRONがあります。

「いつでも、どこでも」の実現のためにTRONに代表されるスモールフットプリントのリアルタイムOSと、その上での組み込み用ミドルウェア。状況を認識してユビキタス・ネットワークが適切な対応を行うための、RFID、センサーネットワーク、すべてのモノや場所に固体識別番号をつけての大規模アドレスレゾリューション技術。ユビキタス・ネットワークを安全に運用するための暗号運用技術。ユビキタス・ネットワーキングのための新しいリアルタイム・ネットワークプロトコル。さらにはそれらの新しい要求に対応した次世代のマイクロプロセッサ。というように「ユビキタス・コンピューティング」を核として多様な基礎研究を行っています。

さらに、このようなユビキタス・コンピューティングの基盤技術を活用し、様々な応用研究を行っています。Government 2.0の実現を目指したオープンデータ・プラットフォームの構築などは、現在の最も大きなテーマの一つです。また、空間情報サービス、デジタル・ミュージアム、未来住宅といった応用にも取り組んでいます。

また、「誰でも」のための「イネーブルウェア」(これも長年続けているテーマで、今で言うコンピュータのユニバーサルデザイン化です)技術や、漢字を中心とする多要素であいまいな文字集合の取り扱いを中心としたヒューマンマシン・インタフェース技術の研究も長く取り組んできています。

このようにコンピュータ技術を核としながら学際的な心を持った専門家を育てることを、私の研究室のテーマとしており、このため学生も10人いると7人がコンピュータ、残りが建築やアート等多分野という構成になっています。また、当研究室の運営は越塚 登 教授との共同で行っており、別所 正博 特任講師、カーン特任研究員ら多くのスタッフとともに、研究は高度ですが充実したミーティングによる指導などファミリー的な研究室でもあります。

コンピュータ技術を見据え、現実空間とのかかわりを強く意識したモノ作りを行う——ゼロから新しいモノを作り上げるといった独創的なことにチャレンジしたいという意欲と才能を求めています。いっしょに未来を作りましょう。