東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

木宮 正史

Professor

KIMIYA, Tadashi

研究テーマ

  • 朝鮮半島の政治・国際関係
区分:
学内兼担・授業担当教員
所属:
総合文化研究科

Research Theme

  • Politics and International Relations of Korea
Position: 
Affiliated Faculty
Department: 
Graduate School of Arts and Sciences.
略歴

博士(政治学)

1983年東京大学法学部卒
1993年大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学
1992年韓国高麗大学大学院政治外交学科博士課程修了
1993年法政大学法学部助教授
1996年東京大学大学院総合文化研究科助教授、准教授
2010年東京大学大学院総合文化研究科教授
2011年大学院情報学環教授
その間、2002-3年、米国ハーバード大学訪問研究員を歴任。

学環の研究事業
Biography

Ph.D. Political Science

1983年東京大学法学部卒

1993年大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学

1992年韓国高麗大学大学院政治外交学科博士課程修了

1993年法政大学法学部助教授

1996年東京大学大学院総合文化研究科助教授、准教授

2010年東京大学大学院総合文化研究科教授

2011年大学院情報学環教授

その間、2002-3年、米国ハーバード大学訪問研究員を歴任。


一方で冷戦体制を「利用」しながら経済発展を達成、さらに民主化も達成し、他方で、そうした体制実績に基づいて冷戦体制を自ら克服しようとする、韓国の政 治・経済・外交のダイナミックな展開に焦点を当て、第二次大戦後の朝鮮半島および東アジアの歴史的展開を、一次史料に基づいて実証的に分析する。そして、 韓国・朝鮮半島から、戦後の東アジア国際関係を逆照射することで、従来とは異なる戦後東アジア国際関係史像を構築することを目指す。

具体的には次のような研究を進めてきた。

第一に、朝鮮半島をめぐる国際政治の構図を決定的に変えた、朴正熙(パクチョンヒ)政権の政治体制、経済政策、外交政策に関する研究である。朴正煕政権 が、自国を取り巻く冷戦の制約を経済開発のための機会に転化していく過程を、日米韓3カ国の外交文書や経済政策文書などを通して明らかにした。自著『박정 희 정부의선택(朴正煕政府の選択)』はその成果の一部であ る。

第二に、朝鮮半島の冷戦史再解釈である。1960年代初頭の軍事クーデターをめぐる米韓関係、日韓国交正常化交渉に関する米国の関与、韓国軍のベトナム派 兵をめぐる米韓関係などの1960年代の冷戦史研究、さらに、米中接近、ベトナム戦争の終結などによって東アジア冷戦体制の変容が帰結される1970年代 に関する朝鮮半島をめぐる冷戦史研究に取り組んできた。そして、現在は、グローバル冷戦と朝鮮半島冷戦との関係、同盟間対立と同盟内政治との連携という2 つの視点を導入することで、1970年代初頭、米中和解という国際冷戦の緩和にもかかわらず、朝鮮半島冷戦の緩和が帰結されなかった、1970年代におけ る朝鮮半島の冷戦体制の政治力学を明らかにすることに取り組んでいる。

第三に、1965年の日韓国交正常化に至る交渉過程に関する歴史研究とそれに立脚した日韓関係の構造に関する分析、さらには、そうした分析に基づいた日韓 関係に関する政策提言を行うという作業である。第四に、韓国現代史の展開過程の中で、韓国の民主化を位置づけるとともに、比較政治学における民主化研究の 成果を積極的に導入して、韓国の民主化に関する理論的実証的研究に取り組むという作業である。最後に、民主化、冷戦の終焉から現在に至る朝鮮半島をめぐる 国際関係の現状分析に、韓国の政治外交に視座を置いて取り組むという作業である。

以上の研究の根底には、冷戦型開発独裁から脱冷戦型市場民主主義への移行という、韓国の政治経済体制の変容を明らかにすることで、朝鮮半島を取り巻く東ア ジア国際関係の変容を照射するという問題意識が流れている。とかく、日本や中国という「大国」を中心として東アジア国際関係が語られることが多いが、韓 国・朝鮮半島という、東アジアにおける「周辺」であり、かつ「前哨」でもある「場」から、戦後の東アジア国際関係を逆照射することで、従来とは異なる戦後 東アジア国際関係史像を構築するという問題意識に基づいた研究を続けている。