東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

教員 Faculty

教授

有川 正俊

Professor

ARIKAWA, Masatoshi

LAB WEBSITE

有川正俊研究室
http://www.csis.u-tokyo.ac.jp/~arikawa/

研究テーマ

  • 空間コミュニケーションツール
区分:
学内兼担・授業担当教員
所属:
空間情報科学研究センター

Research Theme

  • Spatial Communication Tools
Position: 
Affiliated Faculty
Department: 
Center for Spatial Information Science
略歴

1962年福岡県生まれ。九大情報工学専攻にて博士号取得。 九大助手、京大助手、広島市立大助教授を経て、1999年より東大空間情報科学研究センター助教授。2010年より教授。

主要業績

詳細な業績は有川正俊(業績)をご覧ください。


1. 研究活動

人々は、日常的に場所に関係する内容について考えたり、コミュニケーションするために地図 を使っています。しかし、地図コンテンツが唯一の空間情報の表現手段ではなく、人間は言葉や実写シーン(写真やビデオ)を介して空間情報をコミュニケー ションしています。現在の地理情報システム(GIS)は、主に緯度経度のような座標値化したデータおよび地図表現だけに的を絞っており、人間が現実空間で 直接的に利用する自然言語表現や実写シーンを取り扱う機能はほとんどありません。言葉や実写シーンなどの人間中心メディアを介して、人間とコンピュータの 間で空間情報を楽にやりとりするための新しい空間コミュニケーションツールが必要とされています。私は、この観点から空間情報を使った人間活動支援のため の新しいソフトウェアツールの探求を行っています。

われわれは、写真に対する有効なコンテクストパターンとして空間スキーマ(位置、方向、画 角など)に焦点を当て、デジタル写真を高度に空間的に取り扱う利用環境を提案しました。これにより、「ビルの反対を撮影した写真が欲しい」、「ここから左 側を写している写真が欲しい」、「遠くから写した写真が欲しい」などの高度な空間的問い合わせを実現できます。また、ウェブ上に空間スキーマ付き写真が大 量に共有された場合、それらを効率良く、かつ正確に検索・管理できるようにもなります。たとえば、ある場所で何が一番注目されたかなども、ウェブ上の写真群から自動的に分かるようになります。

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図. PhotoFieldのコンテンツの例。 立命館大学 アートリサーチセンターで作成された 「都名所今昔」展での「京都名所絵図アーカイブ」

 

2. 将来計画

時計の普及により、われわれは「時間」情報を手に入れることができました。一方、GPSな どの位置情報センサーの普及により、「空間」情報あるいは「位置」情報を手に入れることになります。今日の社会は、時間を基準に回っていると言えます。従 来は高価であった位置情報が安定して安価で提供されるようになると、「空間」を基準にしたさまざまな管理方法が社会の根幹に加わり、社会のシステムを変革 させると考えられます。このような観点から、現実空間の環境とインターネットに代表されるサイバー空間の融合の健全な枠組みに関して研究を進めています。

3. 教官からのメッセージ

当研究室では、ソフトウェアとしての「もの」を作りながら理論を再検討し、また理論を作りながら新しいものを生み出すという、もの作りと理論作りとの間のスパイラルにより研究を発展させるスタイルを基本としています。ソフトウェア開発は、自然科学における一種の実験と考えており、開発や運用過程で理論の中にある誤りや飛躍を発見できます。また、コンピュータの上で正しく動作することにより保証されたソフトウェアや理論の上に、さらに上位のものを積み重ねることができます。このように、自然科学では当然の枠組みの中で、空間情報とITを基本とした新しい利用者環境や社会環境の創成を試み、かつそれらに対する理論の体系化と検証を行っています。