東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

イベント Event

January 28, 2021

Dialogue for Dialogue 「だれかの戯曲」ワークショップ開催のご案内Dialogue for Dialogue/"Someone's Drama" Project Launch Workshop

地域に潜在する活動や、コミュニティースペースの運営をつなぐネットワークの形成や、拡張のためのツールの開発を試みるプロジェクト「Dialogue for Dialogue」では、ワークショップや、ミーティングを軸に展開するプロジェクト「だれかの戯曲」を始動させます。そのオープニングとして「コレクティブ・トラウマと戯曲」と題するワークショップを1月28日に開催いたします。
「だれかの戯曲」は、コレクティブ・トラウマによって綴られる人々のことばを記録する手法として、戯曲というメディアに着目します。複雑なものを複雑なまま扱いながら、人々の経験の戯曲化と、その上演における課題について考える場になることを目的としています。
コレクティブ・トラウマの概念は、米国の社会学者のカイ・テオドール・エリクソンにより、1972年のウエストヴァージニア州バッファロー・クリークで発生したダム決壊事故後の被災者の心的復興を描いたエスノグラフィー『Everything In Its Path』で、提起されました。これは、伝染病の流行や災害や紛争などによって、個人が依拠する社会や集団といった共同体や、その記憶・文化などとの結びつきの喪失によって生じる人々の心的外傷のことを指します。また、これらのトラウマは、ともすれば「歴史」にかき消されながらも、語り継ぎや歌、調査記録、絵画や、映像、裁判の記録、公文書や会計簿など、これまで多くの方法によって記録され、発見することができると言えるかもしれません。
2019年以降、COVID-19は世界中で猛威を振るっていますが、個人の経験は社会的立場や属性や感情などの違いによって不均等です。また、このウイルスの感染を予防するのに有効な手段は、人と人との物理的な距離を取ることだとされ、個人と集団や社会と関係性が変化している現在、どのような戯曲を生み出すことができるかを考えます。

Dialogue for Dialogue「だれかの戯曲」プロジェクト
[Workshop 001]コレクティブ・トラウマと戯曲
・プレゼンテーション:小澤いぶき(ファシリテーター)「コレクティブ・トラウマについて」
・ディスカッション:「コレクティブ・トラウマについて」
・「誰かの戯曲」の視座#1(参加者で、本プロジェクトの方向性や広がりについてスパイダー・マップを作成しながら考えます。)

日時:2021年1月28日(木)19:00-21:00
会場:Zoom (お申し込みいただいた方にURLをお送りします。)
申込: https://forms.gle/tJaqZpxQV7HWUTEh9 (Googleフォーム)
言語:日本語
定員:15名程度
※ 本プロジェクトのワークショップは 1回のみの参加も可能です。
※ ワークショップの録画・録音、写真や動画撮影、スクリーンショット等は一切禁止とさせていただきます。

「だれかの戯曲」ファシリテーター:
〈小澤いぶき〉
認定NPO法人PIECES(ピーシーズ)代表理事/ Founder /東京大学医学系研究科 客員研究員/ 児童精神科医
精神科医を経て、児童精神科医として複数の病院で勤務。トラウマ臨床、虐待臨床、発達障害臨床を専門として臨床に携わり、多数の自治体のアドバイザーを務める。さいたま市の子育てインクルーシブモデル立ち上げ・プログラム開発に参画。 東京大学先端科学技術研究センター特任研究員をへて、認定NPO法人PIECES(ピーシーズ)を立ち上げる。2017年3月、世界各国のリーダーが集まるザルツブルグカンファレンスに招待、子どものウェルビーイング達成に向けたザルツブルグステイトメント作成に参画
〈富樫多紀〉
カルチュラル・プロデューサー。シアター・デザインの学びを軸に、英国バービカン・センター、東京大学先端科学技術研究センターと日本財団主催「異才発掘プロジェクトROCKET」、ミューザ川崎シンフォニーホール、日本フィルハーモニー管弦楽団などで、芸術と教育の関わりを経験してきた。出会いを通して、様々な領域で人が変化していく過程を作ることに関心を持っている。

Dialogue for Dialogue の詳細・今後の活動は、https://dialoguefordialogue.blogspot.com/ をご覧ください。

お問い合わせ: barbaradarling@g.ecc.u-tokyo.ac.jp BARBARA DARLINg( Dialogue for Dialogue ディレクター)

主催:東京大学 ⽂化芸術におけるSDGs のためのファシリテーター育成事業(令和2年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業)