東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 The University of Tokyo III / GSII

イベント Event

March 4, 2018

東京大学:社会を指向する芸術のためのアートマネジメント育成事業 AMSEA上映会|living togther #2[日常對話・Small Talk]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画《日常對話・Small Talk》の監督は自分の母親にレンズを向けて、家族にまつわる日常会話を捉えることで、自分たちの物語を語ろうとしています。このドキュメンタリーは社会問題を取り上げようとするものではなく、何かの現状を報道しようとするものでもありません。ただ自分の心の傷と向き合って、大切な人との関係を繕おうとする記録です。しかし、そこに映し出されるのは、夫の暴力から幼い子ども二人を守るため都会に逃れた母親であり、生計を立てていくため伝統な葬儀を行うことを生業としている祭司であり、女性を好きな一人の女性の姿です。この映画は現代台湾社会の一断面を垣間見せてくれます。世代や地域による女性の立場の変化や、家庭内暴力、LGBT(性的少数者)など。これからのアジア圏における「個人」を考えるときの、何かのヒントを与えてくれるかもしれません。

日時:2018年3月4日(日)14:30〜20:00 ※開場は14時〜
会場:東京大学本郷キャンパス ダイワユビキタス学術研究館3階・石橋信夫記念ホール
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_14_04_j.html
定員:125人(無料/先着順/事前申込制)

【 プログラム 】
14:30~16:00 上映第1回
16:00~17:00 アフタートーク 第1回
劉靈均(三重大学人文学部文化学科特任講師)
17:30~19:00 上映第2回
19:00~20:00 アフタートーク 第2回
明日少女隊(様々な性別の第4世代若手フェミニストによる社会派アートグループ)
※本上映会は、同作の2回の上映と、異なる2種のアフタートークで構成されています。

【 申し込み 】
https://goo.gl/forms/hf8O0fDPZjhgtvC52

【 上映作品 】
『日常對話・Small Talk』(台湾/2016年/88分/台湾語/日本語字幕)
アヌは男性のように振る舞います。しかし1970年代当時の台湾の習慣にならって、若くして嫁ぎ、2人の子供を授かりました。間もなく暴力的な夫と離婚し、ひとりで娘たちを育てます。以来、葬儀の祭司で生計を立て、同業者をはじめとする女性たちとのみ、関係を持つようになりました。そんなアヌの娘のひとりが本作の監督です。中華文化の中ではタブーとされる、母親の無条件の愛情を疑問視することが、本作の親密なポートレイトの主題となっています。母と娘は共に過去を思い起こす旅に出かけ、娘を長年苦しめている問いをアヌは突きつけられます。2人の女性が信頼、虐待、認識について対話する一連のロングショットは、痛ましい沈黙で終わります。監督は室内からその焦点をずらし、母親の兄弟や恋人と話をして母親を理解しよう試みながら、3世代にわたる台湾での女性の生活の変化を描こうとしています。

第67回ベルリン国際映画祭2017年テディ賞ドキュメンタリー部門受賞

第67回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品

第53回金馬奨正式出品

第53回金馬奨ドキュメンタリー部門ノミネート、金馬奨編集部門ノミネート
予告編(中国語・英語字幕)
https://vimeo.com/221699491
【 監督プロフィール 】

黃惠偵(ホワン・ホェイチェン)|Huang Hui-chen

1978年台湾生まれ。6歳で道教祭司である彼女の母親の葬儀仕事を手伝い始める。母親を助けるために、3年生で学校を離れ、漫画本やテレビで読み書きを学ぶ。20歳で彼女はソーシャルワーカーになり、台湾国際労働者協会(Taiwan International Workers Association)、中国時報労働者の産業別労働組合(China Times Trade Union)、台北市ドキュメンタリー労働組合(The Taipei Documentary workers Union)などのNGOで働きながら、声を挙げない労働者の苦境をドキュメンタリーに撮り始めるようになる。彼女が映像に捉えた、搾取された労働者たちの親しみやすい姿は、労働者の待遇に関する社会変革を促すきっかけとなった。台湾の国内労働者と移住労働者の窮状に焦点を当てた短編映画は、数多くの国際映画祭で上映されている。現在は、台北市ドキュメンタリー労働組合代表メンバーを務める。

【 詳細 】
https://amseaut.blogspot.jp/2018/02/amsealiving-togther-2.html

【 お問い合わせ 】
東京大学大学院情報学環 北田研究室・AMSEA事務局
amseaut@gmail.com

主催:AMSEA(東京大学|社会を指向する芸術のためのアートマネジメント育成事業)

https://amseaut.blogspot.jp
助成:平成29年度 文化庁「大学を活用した文化芸術推進事業」